【呪術廻戦】夏の静寂

23種類の結果パターン

あなたの本日の占い結果です - 2024年5月9日

釘崎野薔薇【ノバラの休日】




よく行く服屋に気になる店員がいる。


背は自分より高くて、前髪が異常に長くて猫背で。いわゆる根暗と呼ばれる部類の人。

なんで気になるのかというと、そいつの周りには必ず呪霊がいるから。
呪霊といってもせいぜい4級くらいのものばかりだけど。



その店員さんにつく呪霊は会うたびに増え、体調も日に日に悪化しているようにも見える。


呪術師として放っておくわけにはいかない。
しかし休日くらい呪術師だということを忘れたい気もする。

その店に行く度、釘崎はそんな気持ちの狭間で揺れ動いていた。




「どうしたもんかしらねえ」

「なにが？」

「うあああ！？」




振り向くと、五条悟がいた。

伏黒や虎杖がよく話しているのを見るが、釘崎はあまり話したことがなかった。
最強で自由人だということだけはかろうじて知っているが、正直、まだ恐怖は拭えていない。


大体目隠しで顔が見えねえんだよ、とは口には出さないでおく。




「最近すごい静かなんだって？悠仁が言ってたよ」

「あ……、そう。まあ、そうね。静かっていうか」

「ほら、僕って生徒思いのナイスガイじゃない。話くらい聞くよ？」




とまあいろいろ話を聞かされたり話したりして。




「あんたの呪霊、祓わせてほしいんだけど」




今に至る。


こいつの仕事終わりを待ち伏せして、向かい合って祓うだなんて面倒くさいし嫌だったけれど、釘崎自身めちゃくちゃ気になっていたので実行しているのだ。

五条悟もそれに気付いていたからこそ、「直接言うべきだよ」という助言をしたのだろうが。




「じゅ、呪霊って言われても私にはなんのことだか……っ」

「え、あんた女なの？」

「ひいいいいっ、女ですうううっ」




釘崎に腰が抜けたのかアスファルトに座ったまま動けずいる店員の呪霊をピコピコハンマーでさっと祓う。呪霊はあっという間に消え去った。




「あれ、体が軽い……？」

「はい、終わったわよ」




もうここには来れないかと踵を返した時、「あのっ！」という声が後ろから聞こえた。
少しだけ体を捻らせる。店員が頭を下げていた。




「あの、また明日……！お待ちしております！」




頬を打つ冷たい風が、火照った頬を冷ましてくれた。






おまけ


「なんであんたまた呪霊憑いてんのよ！！！！」

「あ、昨日の！」


仲良くなった。

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