夜闇にのまれて【 あんスタ 】

7種類の結果パターン

We are UNDEAD!! - 2024年5月8日

朔間零
▽棺桶の中



＊



「さーくーまーくーん」


コンコン、と軽く棺桶をノック。


放課後のレッスン時間になっても全然来ない彼を呼ぶ係に任命されたのは、私が彼と付き合いはじめてからだった。

羽風くんでさえレッスンには参加するようになったのに、リーダーがこれだ。

二年生の二人は非常に腹を立てているというのに、自由な朔間くんは気にしてない。

あと乙狩くんが怒ってるんだよ。よっぽどじゃん。



「…朔間くん、出てきたらキスしますよ〜」


つい面倒くさくなって、そう言ってしまったのが間違いだと思う。


「しょうがないから起きるかのう…」


目をこすりながら顔を出した朔間くんにさぁ行こう、と声をかけたその時、彼に手を取られた。


「朔間く、んっ！？」


そのまま引っ張られて、私は朔間くんの胸へ飛び込むように体勢が崩れる。

ふんわり、彼の良い匂いが棺桶の中に広がっていた。

…うわ、なんか私変態みたい。


「我輩、YOUがキスしてくれるまで動かんぞ」

「…えぇ…」


ニヤニヤ笑う彼は、きっとキスしてほしいが為に起きたんだろう。

いや、絶対そうだ。


「またいつかでいいよね」

「いーや、今がいい」

「我儘」

「YOUが言ったんじゃろう？」

「う、そうだけど…」

「じゃあ、ほら♪」


目を瞑って顔をわたしの方に寄せる朔間くん。

恥ずかしいから嫌だなぁ…。


「…したら、絶対レッスン参加する？」

「するする。約束じゃ」

「絶対だからね？」

「絶対じゃよ」


それを聞いて、覚悟を決めた私。

彼に触れるだけのキスをして、はいっ！！と言ってから真っ赤であろう顔を覆う。

いやほんと恥ずかしい、もうこれからしない。


「…ヘタクソ。キスってのはこうやんだよ」


急に口調を変えた朔間くんに驚いて、顔を向けてしまうと、あっという間に唇が重なる。


あー、もう。

レッスンただでさえ遅れてるのに、遅いって絶対言われる。

でも、私は別に悪くないし。

ぜんぶ、朔間くんのせいにしよう。


なかなか終わらないキスを悟り、そう決めた私であった。

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