【銀魂】Dead Flowers.

7種類の結果パターン

例え、その結末がどんなに哀しくとも。 - 2024年5月7日

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いつからだったか。
キスも、ハグも。しまいには愛さえ。
なくなってしまったのは。




「…総悟、別れよっか、」

「…わかりやした」



初めはきっと、好きだった。愛していた。
ただ隣にいるだけで胸を踊らせて、手を繋ぐだけで頬を紅く染めて。

いつからだったか。
彼の浮気に、胸が痛まなくなったのは。



愛を、忘れてしまったのは。




「…ばかね、私たち」


そっとため息をついた。
友達でいよう。なんて言うつもりはない。
このまま、赤の他人に戻ってしまおう。

冷めてきた珈琲に口をつけた。
もとは苦くて飲めやしなかったけれど、彼がよく飲むから、と飲みはじめたもの。

…もう、飲むこともなくなるだろう。





「…そうですねィ」


こんな時でさえ携帯を弄っている彼はきっと、私のことなんて愛していない。

…でも、彼もきっと。初めは私と同じだったんじゃないのか。胸を弾ませて、痛ませて。
…なんて。自惚れにも程があるだろうか。




「…ねえ、」


カフェの中。周りはざわざわと騒がしくて、窓の外ではひとが行き交う。
まるで私たちだけが、この世界から除外された異質なものみたい。


「なんですかィ」

「すき」


乾いた、『すき』の響き。
やっぱりそんなものだ。




「…冗談。帰るね」

珈琲代を机に置いて、カフェを出る。
からん、とベルが鳴った。









…なんだ、意外と。
彼のこと、好きだったんじゃないか。

意外と、胸は痛むじゃないか。
涙は流れるじゃないか。




やっぱりまだ、愛してたんじゃないか。
彼はもう、違ったとしても。


それはもう。
とっくに、手遅れ。




冬の乾いた空気。
口の中はまだ、さっきの珈琲の味。

言えなかった言葉を、今。
冬の空に吐き出した。






「総悟、愛してる」


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蓮の花
『離れゆく愛』

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