【銀魂】Dead Flowers.

7種類の結果パターン

例え、その結末がどんなに哀しくとも。 - 2024年4月25日

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『十四郎さん』


彼の名を呼ぶ、彼女の声。
紅く染まった頬。

…敵わないと、思った。


頬を伝う生温いものが、鬱陶しかった。








「…土方、さん」

「…なんだ、」

「ミツバさんのこと、これでよかったのですか。…後悔、してるんじゃありませんか」



秋の夜かぜは、冷たい。
冷えきった指先で彼に触れることすら、叶わないの。



吐き出した紫煙。
きっと彼女の前なら…。体に障るから、って煙草も吸わないんだろうな。

…なんて。そんなことを言って較べてしまう自分が、嫌いだ。







「…いいも悪いもねェよ。
俺ァ、人斬りの腐れ外道だぜ？」


俺じゃ、彼奴を幸せになんざできねーよ。

…正直言って、ミツバさんが憎かった。
死してもなお、愛され続ける彼女。私と彼女は、何処が違うのだろう？




「…そ、ですか」


瞼を閉じれば。
いつかの淡い憧憬が見える気がするのだ。



…なんて、報われない話だろう。


愛する男の傍にいたかっただけの女。
女のために身を引いた男。

馬鹿みたいにすれ違っては、背を向けてしまうのだ。あまりにも不器用すぎて。




「…私の入る隙なんて、
どこにもありゃしないのね」


愛が欲しかったのか。はたまた、彼が欲しかったのか。そんなことは分からないけど、確かに私は、失恋、していたのだ。




「…しらねぇよ」


その答えにさえ彼は。
背を向けてしまう。

確かにあった筈の温もりなんて、一度乾いてしまえばもう。その存在さえ忘れてしまう。






「…ばかなひと」



それは、誰に向けた言葉だったか。
まだ胸に残る想いが、私を突き刺した。


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黄色いチューリップ。
『報われない恋』

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