釘崎と同郷の女の子は考え方もちょっと変 [呪術廻戦]

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真人は二択だというが、そこには選択肢なんてものはない。実質一択だ。けれどその前にはっきりさせておかなければいけないこともいくつかある。その一つ目を私は口にした。

「ここで結ぶ契約の期限は？」

「それはAが決めていいよー。」

その主導権は譲ってくれるのか。私は少し考えてから、口を開いた。

「では、五条悟が復活するまで。」

「明確だね。いいよ。」

真人はさらっと私の提案を受け入れた。仮にも他人と結ぶ縛りであるにもかかわらず、真人はあっさりとしていた。

「では、この縛りに対するあなたへの対価は？」

正直考えたくもないが、曖昧な縛りほど怖いものはないから、と私は聞いた。

「うーん、そうだなぁ。」

真人は少し黙った。

「Aのこれ、とか？」

トン、と真人の指が私の心臓の上に降りた。

「心臓ですか。」

「心臓もそうだけど、魂かな。俺はずーっと一緒にいたいんだよね。」

真人はそう言ってまた笑い、頭を私の頬にすり付けた。

ずっと一緒、それはつまりこいつは私とココを抜け出した後も一生、私に張り付く、ということだろうか。私は自分のそばにこいつがいる生活を想像して笑った。こいつと縛りを結べばこいつは一生私について回る。ああそれは、正しく呪いだ。

「いいでしょう。」

私は祝詞を読み上げる時のように呼吸を整え、はっきりと告げた。

「その契約、結びます。」

そう言った瞬間、心臓の奥で小さな痛みが走った。しかしそれで終わり、真人と私の縛りは紙を裂くように、簡単に結べてしまった。

「……これで終わりですか。意外とあっけないですね。」

私は呟いたが、真人は私に腕を回したまま答えなかった。

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