117話 ページ23
サク「リーさん、お花 替えておきますね」
リーさんからの返事はなかった、リーさんを担当した先生によるとリーさんの怪我の具合いはとてもひどいものだ 腕と足の骨が無惨に潰されていて、神経や血管がズタボロでなっているらしい 先生は"もう忍には戻れないかもしれない”と言っていた
サク「どう? 治せそう?」
「……正直、むずかしい」
イノ「え、出来ないの?」
「けど、治せないことはないよ ただ…」
サク「ただ?」
わたしが返答に困っていると、病室のドアが開いた
ガイ「ん? やぁ! 君たちか!」
現れたのはガイ先生だった、先生もリーさんのお見舞いに来たようだ
サク「ガイ先生、こんにちは」
「こんにちは」
ガイ「サクラくん、イノくん いつもありがとう 今日はアマツマくんも一緒なのか」
そう言って、持ってきたフルーツをリーさんの隣の棚に置き 椅子に座る
「サクラちゃんから聞きました…その…リーさんの怪我の事…」
ガイ「そうか……」
途端にガイ先生の顔が曇る けどすぐに元気になる
ガイ「だが、何も心配はいらないぞ! リーは絶対に元気になる! 怪我も完治して、またネジ達と任務に励んで貰わないとな!」ガハハハハ
ガイ先生はそう言ってはいるが、心なしか悲しそうにも見える 本当は、事実を受け入れられないでいるのかもしれない
「ガイ先生」
ガイ「ん? なんだ?」
わたしは椅子から立ち、ガイ先生の目を見て言った
「リーさんの怪我は…もう忍には戻れないほどにひどいものです それはガイ先生もわかっていますよね」
ガイ「……」
あれだけ元気だったガイ先生が急に黙る、やはり自分でもわかっていたのだ リーさんはもう…
ガイ「なら…どうしたらいいというのだ……俺は
リーとまだやりたいことがたくさんあるというのに
それにコイツには忍の道が全てなのに…それがこんなところで終わるなんて、それは…あまりにも…」
ガイ先生は何もできない自分を悔しそうに思っていた
その姿を見てわたしは…決めた
「ガイ先生…リーさんの怪我を完治させられる方法があります」
ガイ「ッ! なんだってッ!」
サク「Aちゃん」
「わたしの医療忍術で…リーさんの怪我を治してみせます!」
『この忍術は人を治すためにあるのに、それを使うのに戸惑ってちゃいけないよね』
心の中でそうつぶやき、わたしは手に泡を作り出す
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作者名:溝呂木 | 作成日時:2019年9月14日 19時