いっこめ ページ1
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いつからだろうか。いつから私は弟と話してないのか。
私が小学生の頃、お母さんの再婚相手には二つ下の子供がいた。
その頃はまだ遊べていたはず。普通に仲も良かったし、未だって変わらずお父さんとお母さんは仲が良い。
私が転んだり怪我した時に
「俺がねーちゃんを守る!」
とか言われてたりもした。
いつからだったか。
そうだ、中一の頃から態度がすごく素っ気なくなったんだ。
あの時は何かしたのか、とか色々悩んでは泣いていた。
そんなことを久し振りに考えながら顔を洗う為洗面台へ向かう。
そもそも帰宅部の私と、現役バレー強豪校のレギュラーの弟じゃ会う時間なんてない。
向こうは夜遅く、朝は早い。
それもこじれた原因なのか。
『…あ、れ…今日は部活ないの?』
「……」
いつもこの時間にはいない後ろ姿に驚きつつも、話かけるが案の返事はない。
久しぶりに見る背中は、前見た時よりも逞しくなってるように思えた。
猫背になって顔を洗っていても、大きい。
『あっ、お、おはようっ!』
「…はよ」
そう聞き取れるか危うい声の小ささで、返してくれた。
良かった、シカトしてるわけでは無いのか。
少し浮ついた気持ちで私も顔を洗う。
顔を洗って歯を磨いてリビングに行くと、もう直ぐ家を出ようとしてる工君の姿があった。
「あら工もう行くの?」
「うん、行ってきます!」
「あ、待って!…って行っちゃったわね…」
『お母さん?どしたの?』
「あらA良いところに!」
やだすごい嫌な予感するんだけど。
「工、お弁当忘れちゃったみたいだからあんた届けてあげてよ。
今日どうせ何も予定無いんでしょう?」
嫌な予感が的中しました。
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雷雅 - 更新頑張ってください! (2018年3月27日 18時) (レス) id: e8ca574508 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽぽん | 作成日時:2017年1月26日 21時