story46 面影 ページ47
【Noside】
「何すんだァァァァ!!てめーらァァァァァ!!」
万事屋一行にバズーカを撃たれた近藤がさけぶ。
「あっ。いた。無事かオイ。なんかお前暗殺されそうになってるらしいな。一丁前に。」
「今されそうになったよ、たった今!!」
近藤は怒っているのか無駄に声がでかい。そんなに距離は離れていないため結構五月蝿い。
「お前ら、まさかトシをここまで……あり得なくね!?お前らが俺達の肩を……」
指を指し確認するかの様にさらに声を張った近藤。普通なら考えられないようなことが起こると人……ゴリラはこうなるのだろう。
「遺言でな。コイツの。Aチャンにも頼まれちゃったしな。」
「遺言!?」
近藤が驚くのも無理はない。だって、何も知らない奴から見たらいや、知ってる奴から見ても土方の体は生きているからだ。だが、正確には土方の心がいない。いるのは……ヘタレたオタクだけ。
「妖刀に魂喰われちまった。今のコイツはただのヘタレたオタク。もう、戻ってくることもあるめェ。」
銀時が近藤に状況を説明している間もずっと震えている。もう前の面影は無い。
「妖刀だと!?そんな……!!いや!!」
近藤の頭の中では土方の不可解な最近の行動を、振り返っていた。
「そ……そんな状態で……トシが、お前達に何を頼んだんだ?」
「真選組護ってくれってよ。面倒だからテメーでやれってここまで連れてきた次第さ。俺達の仕事はここまでだ。ギャラはテメーに振り込んでもらうぜ。」
銀時は呆れたようなそぶりを見せて言った。近藤はしばらく黙りこむ。そして、なにかを決心したような顔をして口を開いた。
「……振り込むさ。俺の貯金全部。だが、万事屋……俺もお前達に依頼がある。これも遺言と思ってくれていい。トシつれてこのまま逃げてくれ。」
いつもより哀愁が近藤を纏っていた。
「こんなことになったのは俺の責任だ。戦いを拒む今のトシを巻き込みたくねェ。俺ァ、伊東に注意しろというトシの助言を拒んだ。さらには些細な失態をおかしたトシを伊東の言うがまま処断した。」
「
近藤の最後の方の声は震えていた。だがそんな言葉を聞いた土方の面影は前のものに戻っていた。
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作者名:きなこ | 作者ホームページ:https://twitter.com/Kinako_uranai
作成日時:2018年2月5日 13時