story40 頼み ページ41
【Aside】
「土方。お帰り。」
私は、タバコの煙をはいたトッシー、もとい土方にそう伝えた。
「やれやれ、最後の一本吸いに来たら、目の前にいるのが……よりによって辛気臭ェツラしたAとてめーらたァ俺もヤキがまわったようだ。」
私そんな顔してたんだ。全然気付かなかった。
「まァ、いい……コイツで……最後だ……ワラだろうが何だろうがすがってやらァ……いいかァ、時間がねェ。一度しか言わねェ……てめーらに……最初で最後の頼みがある。頼……む。真選組を……俺の……俺達の真選組を護って……く……れ……」
そんなに真選組が大事なら戻って来て。伊東とかは権力でどうにか押さえ込むから。
「アンタが居なきゃ、真選組は護れない。例え護ったとしても……真選組じゃ無くなる。お願い。土方、帰って来て……」
ゴリラと、ニコチンマヨとドS姉弟がいて、地味な奴がいてハゲがいて始めて真選組だ。
「真選組内で今、何かが起きている。そういうことですか。」
私は無言で頷く。
「もしかして土方さんもそのせいで真選組をクビになったんじゃ……妖刀にとり憑かれてあんな状況で何も出来なくて。」
多分そうだろう。伊東のもくろみは、前からあった。そこでタイミング悪く土方が妖刀を手にしたのだ。
「さあな。まァ、何が起きてようが起きてなかろうが、俺達には関係ね〜だろ。これ以上深入りはよそうや。」
旦那のいっている通り、万事屋は今回の案件に全く関係がない。巻き込んでしまったのは、私なのだ。
「ごめんなさい。巻き込んじゃって。真選組のことは真選組で片付けます。色々助けてくれてありがとうございました。」
私は、珍しく軽く頭を下げ謝った。私だったらこんなめんどくさそうな案件には関わりたくないだろうし。
「あのォ。坂田氏、A氏。悪いんだが、実は今日レアモノの限定美少女フィギュアの販売会なんだけど。成人一人につき、一個までしか売ってくれないんだ。しかし、拙者としては保存用と観賞用そして実用用に三個揃えておきたいところでね。そこで諸君等に指令を下す。拙者と一緒に……」
ほんとマジで、なに言ってんの。バカなの。
「てめーは少しは恥と外聞を覚えろォォォ!!」
「実用って何に使うつもりだァ!!」
「心配すんのがアホらしくなってくんだろーが!!」
「何上から目線で物言ってんだ!!お願いするときは地面に頭擦り付けるんだろうが!!」
こうして各自思い思いのことをツッコミ、蹴り倒した。
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作者名:きなこ | 作者ホームページ:https://twitter.com/Kinako_uranai
作成日時:2018年2月5日 13時