story34 若頭 ページ35
【総悟side】
ある女が俺達が、朝の素振りをしている間にやって来た。沖田はいるかーとかなんとか叫ぶもんだから、また志願者かと思い山崎が出ていった。んで、山崎の影に隠れて寝ていた俺が、そいつから見えてしまったわけで。
「いた〜!そー君の事探してたんだよ?」
と言って俺の近くに来た。気持ち悪りィ。それで、抱きつかれたところで道場にA姉が来たというわけだった。
「そー君を取り合って決闘よ!」
普段、無表情なA姉はその言葉を聞いてあからさまに顔を歪めた。
「総悟は物じゃ無いから。取り合うってのもおかしいし。総悟には、意思があるんだから本人に聞いて。」
A姉は、こういうところはしっかりしてるからこうなることは予想できていた。
「そー君。そー君はどうしたい?」
どうしたいも糞も無ェ。だって、なにも聞かされてない。
「お前はどうして俺を知ってて、お前の物にしたいんですかィ?」
「そっか、話してなかったよね。私の事。私は、大門結愛。大門組の若頭よ。そー君が強いって聞いたから組に引き込みに来ました!」
にっこり笑顔で言うことじゃ無いだろ。
「俺は、極道なんて御免でィ。という事で、帰ってくだせェ。」
俺の本音だ。確かに、極道に入ったら、地位もそこそこ高いところにつけるだろう。でも、俺は、生憎真選組が好きなんでねィ。
「じゃあ、力ずくで奪ってやるわ!」
そう言って、A姉に斬りかかろうとする。突然の事に全員が動けなくなった。だが、A姉だけは違った。真剣と真剣がぶつかりあう音がひびく。
「ハイ。逮捕。公務執行妨害と、危険物取り扱い。」
A姉は、大門を弾き飛ばして手錠を掛け、山崎に引き渡した。
「この後も何かあるはずだ!。大門組に乗り込め!」
土方さんの指示で、大勢の隊士が動いた。
「A姉。ありがとうごぜェやした。」
「そんなの、総悟がパフェとステーキ奢ってくれれば、水に流すって。」
ここで、ねだるとか策士かよ。奢るしかねーじゃねーか。
「分かりやした。」
「やった。また、助けても良いかもな。」
そんな理由で、助けないでくだせェ。
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作者名:きなこ | 作者ホームページ:https://twitter.com/Kinako_uranai
作成日時:2018年2月5日 13時