story11 友達 ページ12
【総悟side】
久し振りに姉上と会い、A姉と江戸の案内をすることになったのだが。
山崎と原田は覗いてるし、ファミレスだしで正直これを案内というのだろうかという惨状である。
「忙しくても睡眠ちゃんととってるの?」
「とってます。羊を数える暇もないですよ。」
羊は、数えてない。土方の死体は数えたが。
「とってますよ。寝言も言わないくらいぐっすりです。」
嘘つけ。土方死んでくれって言ってただろ。
「じゃあお友達は?」
友達ねェ。誰か暇そうなやつは……
「Aちゃんも彼氏とかいないの?」
明らかに困った顔をしてこっちを見るA姉。今回は助けられねぇ。
「あなたたち昔から年上ばかりに囲まれて友達らしい友達もいないじゃない。惚れたはれたの話も聞かないし。悩みの相談ができる人はいるの?」
返答に困っていると運良く外を通りかかった旦那。A姉と顔を見合わせ、旦那を引きずり込むことにした。
「大親友の坂田銀時くんです。」
「そして私の彼氏で……」
「なんでだよ。」
そう言いながら俺とA姉を机に叩きつける。
「オイいつから俺たち友達とカップルになった?」
「旦那。友達って奴ァ今日からなるとか決めるもんじゃなくいつの間にかなってるもんでさァ。カップルも同じでさァ。」
案外そんなもんだ。俺も友達になろう的なセリフは言ったことねぇ。カップルは知らねぇ。
「そしていつの間にか去っていくのも友達と彼氏だ。」
「チョコレートパフェ3つくださーい。」
A姉が旦那を引き留めようとして好物を頼む。金欠だからそんなに頼めないはずだという期待をして。
「友達っていうか。俺としてはもう弟みたいな?まァそういう感じかな。なァ、総一郎君。」
「総悟です。」
不安だ。旦那が友達役をしっかりやってくれるとも思えねぇ。
「Aちゃんとは?どんな感じなのかしら?」
「そりゃもうラブラブだよね。なァAちゃん?」
「そーですね。」
A姉、もっと演技しないとばれるだろ。
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作者名:きなこ | 作者ホームページ:https://twitter.com/Kinako_uranai
作成日時:2018年2月5日 13時