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story10 非番 ページ11

【Aside】

私達は、近藤さんに非番にして貰い、姉上のために江戸案内をすることになった。
正直言って、紹介するところはそんなにない。
いつもサボっている団子屋くらいだ。
「姉上!ここが歌舞伎町です!」
えっ?ダメでしょ。歌舞伎町は、如何わしい所が結構あるし……旦那がいるし……


しばらく歩き、いつの間にかファミレスにの前にいた。
「ちょっと休憩しよう。」
私は、ここで休むことにした。勝手にだが。

「そーですか。遂に姉上も結婚したんですね。」
「じゃあ今回は嫁入り先に挨拶も兼ねて?」
私と総悟は、姉上の結婚の話をする。
最近なんだか、総悟とセリフを分けることが多い気がする。なぜだ。
「ええ。しばらく江戸に逗留するからいつでも会えるわよ。」
総悟が喜ぶな。
「本当ですか。嬉しいっス!!」
「フフ。私も嬉しい。」
そんな微笑ましい光景の少し離れたところでは、ある隊士達が、いつもドSの上司がシスコンになっている状況に笑っていた。つーか、山崎と原田だけど。
「どうしたの?Aちゃん。何か面白いことでもあった?」
思わず私は、アイツらが笑っているのが面白くて、ニヤニヤしていたらしい。
「姉上といつでも会えるのが嬉しくて。つい、頬が緩んじゃいました。」
この会話から、総悟が気づいた。私が、浮かべていた笑みはそういう類いのものじゃ無かったからだ。
「でも僕心配です。江戸の空気は、武州と違って汚いですから。お身体にさわるんじゃ。」
私も面白くて、総悟に乗ることにした。アイツら今度こそ殺れるし。
「姉上、見てください。あの排気ガス。」
窓の外を指差し姉上の気を引いた。
バズーカを撃った音と一緒にぎゃああああという悲鳴も聞こえた。ファミレス破壊してごめんなさい。

「まぁ何かしら、くさい。」
「ひどい空気でしょ。姉上の肺にさわらなければいいんですが。」

山崎、原田さよーなら。

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作者名:きなこ | 作者ホームページ:https://twitter.com/Kinako_uranai  
作成日時:2018年2月5日 13時

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