私の日常2 ページ7
パーちん｢まあ待てよ。今三ツ谷も来るからよ｣
その言葉にAは慌てた
冗談じゃない
何がって訳では無いが
なぜか今の姿を見られるのは嫌だった
A｢いや、大丈夫だから。じゃあ、私はこれで！｣
捨て台詞だけ残し
呼び止められる前に
Aは全速力でその場を後にする
ペーやんとパーちんはあまりの俊敏さに
そのまま唖然とAを見送くるしかなかった
クラスメイトに目撃されるという
トラブルはあったものの
特に何事もなく家に帰ってくる
アパートの軋む階段を上がり
部屋に入りホッと一息つく
戸棚にカップ麺をしまい
いくつか学校に持っていくバックに入れる
何かあった時食べるものに困らないよう
少し前から部室のロッカーに
カップ麺をストックしておくようにしていた
実際姉が食費でお酒を買ってしまい
食べるものがなかった時は
ストックしておいたカップ麺が役にたった
朝には仕事を終えた姉が帰宅するため
カップ麺を食べて
シャワーを浴びたらさっさと寝る
姉と顔を合わせば
鬱陶しそうに嫌味ばかり言われてしまう
だからなるべく顔を合わさなくていいよう
生活の時間をずらすようになった
幸い姉は夜働き昼間は寝ているため
時間をずらすのは難しくない
朝早く学校を出るため
他の人が登校してくるまでに時間がある
そんな時はいつも
学校の屋上で暇を潰していた
古い学校のため
屋上のドアの噛み合わせが悪く
ちょっとコツを掴めば簡単に鍵を開けられる
見つけたのは偶然だけど
お陰でいい避難先になっている
屋上に続くドアを抜け
大きく深呼吸する
ここに来ると全ての煩わしいものから
解放された気がしてスッキリした
そしてAは屋上の扉が付いている建物の側面に移動する
そこには備え付けのハシゴがあって
扉上の空間に上がれるようになっていた
屋上が建物の1番上だと思っている人が多いせいか
屋上より一段高くなっているここは意外と見つからない
だから屋上に人がいたとしても
ここでは1人になることが出来た
ここが本当に私の秘密基地
Aはその場にゴロンと寝転がり
あおい空を見上げた
あと1年…あと1年だ
そしたらユリ姉に迷惑かけなくても暮らせるようになる
バイトをして1人で暮らして
ユリ姉を自由にしてあげるの
それまでの辛抱…
それまでの…
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くらら(プロフ) - あさん» ご指摘ありがとうございます (2022年6月12日 13時) (
レス) id: 10f98cb4da (このIDを非表示/違反報告)
あ - 三ツ矢ではなく三ツ谷です…。作品自体は面白いので少し勿体ないような気がしました🙇♀️💦 (2022年6月12日 12時) (レス) @page5 id: 645db5c9a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くらら | 作成日時：2022年5月30日 3時
