あくる日の休日4 ページ31
A「うわぁ。凄い混んでる」
三ツ谷「帰宅ラッシュに当たったな」
結局バイクは1度置いていき
帰りは電車で帰ることになったのだが
ちょうど帰宅時間となり
満員電車に押し込まれてしまった
電車が揺れるたび人の波に押し潰される
つり革を掴むのに少し背伸びし
揺れに耐えようと両足を踏ん張っていたため
徐々に力が入らなくなり体がプルプルと震えてきた
見かねた三ツ谷が苦笑いをこぼしながら
電車のドアが開き人の波が動くタイミングで
Aを優しく引っ張る
三ツ谷に誘導されるように
ドア付近に移動し
そのままドアに両手をついた三ツ谷が
守るように壁になってくれた
何気ない動作でAが潰されないよう
スペースを作る三ツ谷に
Aの胸が高鳴る
さっきまで人混みに揉まれ
圧迫されて苦しかった胸は
違う意味で苦しい
どうやって息をしていたのかも分からなくなり
三ツ谷のあまりの近さに
息を乱すことも出来ず苦しかった
Aが意識を保つために必死になる中
三ツ谷に促され朦朧としながら電車を降り
その頃になってAはやっと息をつくことが出来た
A「苦しかった」
三ツ谷「ああ、あれはヤベーな」
A「三ツ谷君は涼しい顔してたくせに…」
三ツ谷「そんな事ねーよ。俺だって苦しかったんだからな」
A「絶対うそ…」
自分だけがドキドキしていた気がして
拗ねるAの頭を
三ツ谷が笑いながら撫でる
三ツ谷「嘘じゃねーよ。何拗ねてんだよ」
A「拗ねてないけどさぁ…」
気恥ずかしくて俯くも
三ツ谷の手を振り払うのは勿体なくて
視線だけでチラリと様子を伺う
伺うように見上げたAと
三ツ谷の視線がバッチリと合い
思ったよりも近くなってしまった距離に
ハッとしたように2人は離れた
恥ずかしさを隠すように
乱れた髪を直しながら
それでも三ツ谷の様子が気になって
髪を直す手の隙間から三ツ谷を盗み見る
少し背を向け気味に首をさすっている三ツ谷の頬が
ほんのり赤い気がして…
それがまるで
自分を意識してもらえている様で嬉しかった
A「三ツ谷君、帰ろっか!」
さっきまで拗ねていたのが嘘かのように
機嫌良く三ツ谷の腕を引っ張るA
そんなAの様子に首を傾げつつも
まあいいかと勝手に納得し
ただ引っ張られるまま
Aについて行った
最初はどうなるかと思った外出も
思ったより楽しいものになって
帰りるのが名残惜しい
いつもよりゆっくりと
家までの道を歩いた
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くらら(プロフ) - あさん» ご指摘ありがとうございます (2022年6月12日 13時) (レス) id: 10f98cb4da (このIDを非表示/違反報告)
あ - 三ツ矢ではなく三ツ谷です…。作品自体は面白いので少し勿体ないような気がしました🙇♀️💦 (2022年6月12日 12時) (レス) @page5 id: 645db5c9a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くらら | 作成日時:2022年5月30日 3時