三ツ谷宅 ページ15
三ツ谷「妹達が寝てるから静かにな」
そう言われて踏み込んだ家の中は
幼い妹がいるにしては片付いていて
でも所々に教科書やおもちゃが置いてあって
生活感を感じさせるお家だった
足音にも注意して
そっと部屋の中に入れば
2人の女の子がスヤスヤと寝息を立てていた
2人の女の子はボロボロになったぬいぐるみを
大事そうに抱きしめている
見たことのないぬいぐるみに
興味をそそられまじまじと見つめていると
救急箱を持った三ツ矢が戻ってきた
三ツ谷「それ不細工だろ。おもちゃを買ってやれなくて俺が作ったんだよ」
A「三ツ谷君が?本当器用。2人にとって大事なものなんだね。それに三ツ谷君にとって家族ってすごく大事なものなんだっていうのが伝わってくる」
三ツ谷「まーな。俺は家族を大事にする不良になるってダチに誓ってんだ。痛てーからな。覚悟しろ」
雑談をしながら気を抜いていると
怪我した腕に消毒薬をかけられる
A「…いっ…ぅ…」
痛みに声が出そうになるが
寝ている少女たちを起こす訳にはいかない
Aが静かに悶絶している間に
三ツ谷が手早く手当を済ませた
A「うー、痛いよ」
三ツ谷「…これ跡になるかもな。何があった?」
A「珍しく料理しててフライパンをひっくり返しちゃったの」
三ツ谷「で?何で手当してねーんだよ」
A「ウチに救急箱があると思う?」
三ツ谷「いや、あれよ」
A「ほんとにね〜」
三ツ谷「まったく。ほら、帰るぞ。送る」
A「え?だ、大丈夫。1人で帰れるよ」
和やかな会話から一転
Aは狼狽えながら足早に玄関へ向かう
そのAの反応に違和感を覚え
三ツ谷が素早くAの手を取り引き止めた
三ツ谷「待てよ。いくら家が近ぇって言ってもこの時間だぞ。さっきあんな事が合ったばっかで一人で帰せねーだろ」
A「いや、本当に大丈夫。だって私の家目と鼻の先だから。こんなにご近所さんだったんだね。…そう言えば私家の場所教えたっけ?」
三ツ谷「少し前、夜に外出した時、パーちんとペーやんに会っただろ。その時家に入っていくAを見てたんだよ」
A「あんな前?…私、全然気づかなくて。見守ってくれたんだ、ありがとう」
三ツ谷「それは構わねーけどな。とにかく今回も部屋の中に入るのを確認するまで安心できねんだよ」
Aは困ったようにこの後どうするか考える
三ツ谷に取られた手はしっかりと握られ
フリ払えそうにはない
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くらら(プロフ) - あさん» ご指摘ありがとうございます (2022年6月12日 13時) (レス) id: 10f98cb4da (このIDを非表示/違反報告)
あ - 三ツ矢ではなく三ツ谷です…。作品自体は面白いので少し勿体ないような気がしました🙇♀️💦 (2022年6月12日 12時) (レス) @page5 id: 645db5c9a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くらら | 作成日時:2022年5月30日 3時