青い監獄のお祓い人【ブルーロック】【呪術廻戦】 (ページ11)

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10話ページ11

天井を埋め尽くすそれはご丁寧に皆揃って首を傾げている。何の花だろう、と倣って首を傾げてみるA。

「＿＿鈴蘭ですね」

「ｯﾋ…ェ、どなた、いつからそこに！？」

『3秒前からいましたよ、伊地知さん』

「如月家に仕えています、布佐と申します」

ペコリと腰を折る布佐に慌てて小刻みに会釈をする伊地知さんを眺め、背後からの登場に気付いていたAは護衛という職務放棄の容疑がかかった彼女に目を向けた。

『どうしてここに？』

「A様が狙われているのではと甚爾が言うものですから、心配で。」

『知ってるかい、嘘吐きは泥棒の始まりなんだよ』

目がウロチョロしていてわかりやすい、と言うとバツの悪そうな顔をする。どこの使用人も主人の心配というのはなかなかしないものである。まあ、この家では違った意味かもしれないが。

『確かにうちは仕事に支障をきたさない程度の自由は認めてるけど、タイミングってものがあるでしょーよ』

『本当の目的は何だ』と刑事ドラマさながらに聞けば彼女は昨晩の見回り班だったと言うので、なんとなく察しがついて、呆れ半分の笑みを浮かべた。

「………謝らないと気が済みません」

『君のせいじゃないだろう？』

「謝らないと罪悪感から今後の仕事に支障が出る可能性があります」

『えー、そこまで言う！？』

謝らせてください。
別にいいって。
いやいやいや…
いやいやいやいや…
……いやいやいや………

………そして7話冒頭に戻る。

果てしない言い合いの末、大声出して1人勝手にスッキリした布佐は新しい主人にニヤリと笑みを浮かべて礼をすると、夕日に溶け込んだ。

また、最初面白がっていたのが仇になったAは無駄な労力を使ったことを後悔するのであった。

＿＿＿＿

［唐突な解説］
「夕日に溶け込んだ」とは。
布佐さんが急に出たり消えるのは如月家特有の移動手段です。如月家に仕える人間であれば誰でも使えますが、詳細はぼちぼちということで。複数人との移動も可。