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1話 ページ2

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『すみません、わざわざ…』


早朝の山奥、私Aは早くも頭が上がらないでいた。




朝早くから車で送ってくれて、しかも施設前まで荷物も持って来てくれた補助監督__伊地知さんは、顔面申し訳なさ全開の私に「これくらいどうってことないですよ!」と笑って、インターフォンを鳴らす。



通達があったのは私も彼も昨日の夜中のはずで、多忙を極める彼の目の下には立派なクマが出来上がっていて、無意識に眉が下がる。キャリーケースを渡してくれた伊地知さんにきちんとお礼を言うと「いえいえ、そんな…Aさんこそお気をつけて」と今度は彼の眉が下がった。



慌てて出てきた栗色の髪の女性とヒョロリとした眼鏡の男性にいつものように表向きの説明をして、契約書に印鑑を押してもらうと伊地知さんは車に戻って行き、それを見送った私はキャリーケースを引いて、改めて2人に向かい合った。


動機は、自己紹介をするためである。






『初めまして、如月Aです。今日から青い監獄の警備員を務めます。よろしくお願いします』

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作者名:雨が好きな人 | 作成日時:2023年1月11日 18時

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