『スイカ割り8』 ページ10
その理由は恐らくAのそういう過去にあるんじゃないかと思っていたけど、Aは本当に自身の色に関しては気にしていないように見える。
…なら、一体何が理由だと言うのだろうか。
こいつは何を抱え、近所の人達はこいつの何を気に掛けているのだろうか?
ヒントはだいぶ出ているはずなのに噛み合わなくて、頭に靄が掛かってるみたいにスッキリしない。Aが気を遣って誤魔化しているのかとも考えたけど確証が持てない。こういう時に限ってニャンコがいないことが悔やまれる。
「(…でも、Aが気にしていないなら別にいいか)」
無理に笑顔を作っていないならそれに越したことはないし、ガキも余計な事は聞く気は無いようだし、好奇心のまま気安く蒸し返すものでもないだろう。
食べ終えたスイカの皮を皿に置きもうそろそろお暇しようとAに伝える。
レナちゃんはまだ遊びたいと言っていたけど、またAん家に来た時にいっぱい遊ぼうという約束をして納得してもらった。
帰り際に山中さんからまた野菜やら何やら貰って、お礼を言って山中一家全員に見送られながら帰路に着く。まだ日は高いけど、日暮がどこかで鳴いているのが聞こえてきた。
「今日の一松さん凄かったですね、スイカ割りしてないのに色々と」
「…めっちゃ疲れた…」
「…一松さん、ありがとうございました」
唐突な感謝の言葉に思わず足を止めそうになった。
Aを見ると顔はこちらを向いてはおらず真っ直ぐ前を向いている。歩く速度を変えることなく進む彼女に少し遅れて俺も後に続いて歩いた。
「…なんの事?」
「スイカ割りに付き合ってくれた事です、初めてだったので」
「え、マジ?」
「マジです」
Aの後ろを歩く俺には彼女の顔はよく見えない。
彼女の感謝が本当にスイカ割りを行えた事だけに対する感謝なのかは分からないけど、彼女の明るい口調を崩したくなくて追求できなかった。
「貰った野菜の中にもう一個スイカあるのでまたやりたいですね」
「今度は俺割りたい」
「お、意外と乗り気ですね」
「俺の中に溜まっているモノを全てそこにぶつけたい」
「それスイカ爆散しそうですね」
今はまだ、このままで…。
――…
リオさんリクエストでスカイ割りの話でした。
もっとギャグっぽくしたかったのにシリアスっぽくなってしまった。ギャグが書けん…。
こういう感じでよかったでしょうか?
リクエストありがとうございました!
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渚(プロフ) - 月花さん» 返信が遅れてしまいすみません。1でもコメントしたのですが、Azpainter2というPCソフトを使っています (2020年2月3日 20時) (レス) id: b81e412f98 (このIDを非表示/違反報告)
月花 - 絵上手いですね。どうやってらんですか? (2020年2月3日 19時) (レス) id: a919e6fca7 (このIDを非表示/違反報告)
渚(プロフ) - 森田菜々子さん» ご要望にお応え出来ず申し訳ございません…。今後ともよろしくお願いいたします。 (2018年9月4日 20時) (レス) id: d823623ddd (このIDを非表示/違反報告)
森田菜々子 - すいません;最新頑張って下さいね。 (2018年9月4日 20時) (レス) id: e772f145ae (このIDを非表示/違反報告)
渚(プロフ) - 森田菜々子さん» えっと、それは短編小説のリクエストでしょうか?それですと申し訳ないのですが、小説のリクエストは受け付けておりませんので…。 (2018年9月4日 18時) (レス) id: b81e412f98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:渚 | 作成日時:2018年1月14日 17時