【おそ松さん】ガラスの猫は銀の月に落ちる３

『虫２』 ページ2

と、さっきまで外に行ってたニャンコが廊下から居間に入ってきた。多分縁側から帰ってきたんだろう。

あんな会話をしていたから少し身構えたけど、幸い何も持ち帰って来ては無いようでフラグはあっけなくへし折られた。

Aもホッと息を吐いてニャンコがお腹が空いてるんじゃないかと餌を持ってきた。けどお腹は空いていないようでニャンコは餌に口を付けない。

　

「………あれ？」

「？…どうかした？」

「なんか猫ちゃんが口をもごもごさせてて」

「もごもご？」

　

近付いてみれば確かにもごもごさせていた。心なしか眉を下げて困り顔に見える。
なんだ？口内炎？猫って口内炎になるっけ？

気になってニャンコの口を、可哀想だけど無理矢理手で開けてみる。病気とかだと困るし。

で、中を見て絶句した。

　

「………」

「一松さんどうですか？なにが…」

「あ、あんま見ない方が…」

　

言うにはもう遅く、Aもニャンコの口の中を見てしまった。
で俺と同じように絶句。
無理もない。だって…

　

　

…首だけになったデカいバッタがニャンコの舌に噛り付いていたんだから。

　

　

「……………」

「………A？」

「………………叫んでもよろしいでしょうか…」

「……どうぞ」

　

三秒後、Aの叫びが家中に響き渡った。

　

その後痛がるニャンコを二人で押さえてなんとか取ることができた。無理に手伝わなくていいって言ったけど、Aが手伝うって言ってくれたから時間はあまり掛からなかった。
二人とも引っ掻き傷だらけになったけど。Aはずっと涙目だったけど。

野良猫の行動制限はしない主義だけど、しばらく外に出さない方がいいかなと本気で思い悩む午後の出来事だった。

そんな中Aの涙目そそるとか思ったのは秘密だ。

　

『Aの涙目そそｒ』

「余計なこと言うな」

「…？」

　
―――――***
※作者の実話です。噛り付いてたのはキリギリスの頭でした。モザイクもんです。

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