番外:年甲斐もなく大喧嘩4 ページ47
『(あとは、どのタイミングで起きたフリするか...だよねぇ)』
お陰で大分状況が分かってきた。あとは、出来ればーーポケットの中にある盗聴器を利用して、彼に情報を流せたらいいのだが。
阿笠博士に作って貰った"万が一用のアイテム"は、のど飴パッケージ型の盗聴器と発信器だった。これならスーツのポケットに入れていても違和感がないし、スイッチをONした際に僅かなバイブレーションで知らせてくれる優れものなので、押し間違いも無い。
『(それにしても...人質、爆弾、拳銃かぁ...このフルコースだと、皆を巻き込んじゃうかな)』
幸いにも後ろ手ではなく身体の前で掛けられた手錠は、作りはしっかりしているものの本物ではないレプリカだという事は確認済み。
もしこれが本物だった場合、内通者が居る可能性に繋がってしまうから、Aは少し安堵したのだ。
『(あとは...どこで私が零くんの恋人だって知ったか、かな)』
もし、彼らが自身の事を警察事務員だと把握していたら、少し面倒だ。これも内通者の可能性が出てきてしまう。だから、偶然街で2人でいるところを目撃されただけならいい、と思ったところで、犯人達に動きがあった。
「おい、そろそろその女起こせ。確認したい事がある」
「あいよ」
そう、主犯格らしい人物の指示で男が動いたのだが、どうもペットボトルのフタを開けるような音がしたから、Aは少し焦った。
一応防水らしい盗聴器だが、念の為故障は避けたい。
ならば、少し早いかもしれないがーーーこちらからしかけるか、と。
『...起きてますので、水を掛けるのは勘弁して下さいますか』
「!?」
『風邪ひいたら困るんで、ね?』
ぱちり、と目を開けた彼女の目に恐怖の文字が見当たらなくて、思わず男が足を止めた。
「...へぇ。まぁいいや、アンタがフルヤっつー金髪警官の女で合ってるか?」
『まぁ、そうですね、事実です...私からも1つ質問、いいですか?』
「なんだ?」
『最初に拉致された女性はもう、2週間も貴方達に監 禁されている事になりますが...無事、ですよね?』
少しだけ眉をひそめて問うた彼女に、主犯格の人物ーー成田は口角を上げた。
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MEGUMI(プロフ) - 応援してます!! (2019年11月8日 17時) (レス) id: 3874b072b8 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - MEGUMIさん» コメントありがとうございます!!自分のテンション上げて書いていきます!← また良かったらお付き合いください〜! (2019年11月8日 15時) (レス) id: 5a59395d41 (このIDを非表示/違反報告)
MEGUMI(プロフ) - 全て読みました!めっちゃ面白い!!!早く続きが読みたいなぁ…(笑) (2019年11月7日 15時) (レス) id: 3874b072b8 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - sachocoさん» コメントありがとうございます!!勢いだけで詰めが甘くてすいませんと思ってたのでコメントに凄く励まされました(´TωT`)今後もポツポツ更新頑張ります!宜しければお付き合い下さいませ! (2019年11月4日 18時) (レス) id: 5a59395d41 (このIDを非表示/違反報告)
sachoco(プロフ) - はじめまして!めちゃくちゃ面白くて、一気に読んでしまいました(^o^)今後の展開もとても楽しみにしています!素敵な作品をありがとうございます。 (2019年11月4日 1時) (レス) id: 6ffe0b9ea7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユナ | 作成日時:2019年11月1日 3時