【呪術廻戦】好きな人から恋愛相談されています (ページ40)

今日:84 hit、昨日:98 hit、合計:1,007,731 hit

40 ページ40

.

まるで私を待ち伏せしていたかのように薄暗い路上から現れた。

制服姿の私の前に佇む少年。

白い髪に、空のように澄んだ瞳。それに驚くほど綺麗な顔立ち。

『(この人…)』

直感した。この人が祖母の言っていた五条家の人間だって。

呪力の量が半端じゃない。

まるでこの人を中心に世界が回っているような。

でも不思議と恐怖は感じなかった。

「お前、俺が怖くねぇの？」

『はい…』

「…あっそ、それよりお前が呪術高専の入学者？」

『その予定、です』

五条家の御坊ちゃまがわざわざ私に何の用だろうか。

彼は私を下から上まで品定めする様に見ると、

「はっ、どんな野郎か来てみればこんな雑魚かよ」

鼻で笑っては、人を見下したような口調で私に話す。

正直言って第一印象は最低だった。

『そういう言い方良くないと思いますよ』

「あ？」

『人を見下すような言い方、やめた方がいいですよ』

きっと今までそうやって生きてきたんだろう。

それを止めてくれる人も居ないんだろうな。

『…君、友達いないでしょ』

「はっ？」

確信を突かれたかのように目を見開いた。

『あ、図星？そりゃそんな態度してたらできっこないよ』

「…うるせぇ」と私を睨む。

『そのままじゃ、いつか大切な人を失う。きっと守れない』

「……っ、」

目を真っ直ぐ見て真剣に話せば、彼は口を閉ざした。

『ほら、これから同じ学校通うんだし仲良くしよう。ね？』

「……、」

『あ、そうだ。駅前に美味しいクレープ屋さんあるんだけど行かない？甘いの好き？』

「………すき」

そう小さく口を開いた彼がなんだか可愛く見えてしまった。

.