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さっきまでとは明らかに違う雰囲気に困惑している私を、夏油はただ黙って私をずっと見つめる。
『…夏油?』
名前を呼んでも何も答えない彼に、どうしたらいいのか分からなくなった。
その鋭い三白眼に捕らえられたかのように目を逸らすことができない。
それに、視線が冷たい。
「A、前にも言ったよね」
『え?』
「君は少し無防備すぎる。それを自覚した方がいい」
何故か私を責めるように話す夏油。
どうしてそんな風に怒っているのか、私には分からなかった。
そんな呆然とする私を見ては少し口角を上げると
そのまま私の唇を指の腹でなぞる。
じんわりと伝わる熱に少しドキドキする。
「嫌がらないの?」
『……またからかってる?』
「ううん、結構本気」
悲しそうに笑ってそんな事を言うから、何か変だと思った。
すると、夏油の手が私の頬に添えられて目元を優しく親指で撫でられる。
「分からないなら教えてあげる」
やっぱり今日の夏油は変だ。
だって…、
『え』
だって、今にも私にキスしようとしているんだから。
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皐摩(プロフ) - 胸がギュンギュンしました… (2022年2月15日 19時) (レス) @page50 id: c69f5fedc2 (このIDを非表示/違反報告)
もっち - めっちゃ面白いです。 (2022年1月15日 15時) (レス) @page47 id: ea5533ef50 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶 恵 - 目頭が熱盛(?) (2021年10月12日 20時) (レス) @page13 id: f5505c766c (このIDを非表示/違反報告)
ロゼ(プロフ) - 莉亜さん» ご声援ありがとうございます!夏油ルート検討してみようと思います!! (2021年9月29日 2時) (レス) @page41 id: a0125a0dc0 (このIDを非表示/違反報告)
怜 - えっ好き() (2021年9月23日 22時) (レス) @page38 id: 160a7ef55b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ロゼ | 作成日時:2021年2月20日 21時