285羽 ページ38
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2対2の試合が流れ、国見チームにチャンスボールがやってきた。
「チャンスボール!」と叫んだ百沢がレシーブして、国見がトスの構えに入る。そのフォームをみてAはフェイントであると一瞬で理解した。やはり影山や及川といった天才セッターのプレーを見てきただけあってセッターでない人物の動きは大体読める。
「(上手いけど多分工には……。)」
思ったとおりに、五色はそのフェイントをよんで上手くレシーブして見せた。流石は白鳥沢の1年生レギュラーだ。五色はネット越しに国見と睨みあい、スパイクのために態勢を立て直す。月島はボールの落下地点に構え、五色にトスをあげた。
「(トスヘッッタクソだな……。)」
おもわず失笑してしまったA。ネットに近いわ高さは低いわ、まあセッターでないぶん仕方ないのかもしれないが、それにしてもヘタクソだ。
「トス低い!!雑!!」
「ごめん……。」
五色が月島に叫び、月島も素直に謝る。その新鮮な光景にAも日向もなんとも形容し難い表情をしてみせた。
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その後も2対2がすすんで、やっと選手達が望んだ2対2の終了が訪れた。
「ハイ、じゃあえーっと。白鳥沢学園の斉藤コーチが……えー、体調不良のため急遽ここから合同練習試合を行います。」
五色が「斉藤先生どうしたんスか」と川西に聞くと、川西は牡蠣に当たったのだと答え、それに思わず笑ってしまった。
その直後、「えー」と話を再開した穴原。その言葉に驚くことになる。
「再び白鳥沢3年生およびOBの皆さんも練習試合の相手をしてくださいます。そして今回は白石さんも白鳥沢OBチームのマネージャーとなってもらうので、戦略等は自分達で全て決めてください。」
聞いてない、といわんばかりにものすごい速さで穴原を見るA……と五色と黄金川。絶対ないと思っていた牛島たちと再びチームを組むときがまさかこんな形で来るなんて思っても居なかった。
牛島のほうをゆらりと見やると、相も変わらず感情の読めない淡々とした表情でいた。隣の天童は驚きと面白みが混ざったなんとも言いがたい表情をみせ、瀬見や川西も驚いている。まあ白布は相変わらずの真顔だが。
「(マジですか……鷲匠先生……。)」
ためいきをひとつこぼして、白鳥沢の選手達が集まる場所へと向かった。
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さりあ(プロフ) - 古森くんと佐久早くんの番外編のお話がちょっと見当たらないのですが番外編part2にありますか??お話がすごい気になります!! (2021年7月31日 1時) (レス) id: bfe73c86d0 (このIDを非表示/違反報告)
柿の種梅しそ味(プロフ) - すみません。なんか…話数違いません?なんか重なってる… (2019年12月23日 16時) (レス) id: c64161dde0 (このIDを非表示/違反報告)
赤兎リエ輔(プロフ) - ざらめ煎餅さん» とーっても嬉しいお言葉ありがとうございます!面白いだなんて畏れ多い…!凄く励みになります…!御期待、応援に添えるよう精一杯頑張らせていただきますので、どうぞこれからもご愛読いただければ幸いです(*´ω`) (2017年4月2日 20時) (レス) id: 9a5c590feb (このIDを非表示/違反報告)
赤兎リエ輔(プロフ) - tenipuri3rdさん» やっと続きを更新できます・・・!お待ちいただいてありがとうございました!楽しみにしていただけているようでなによりです(*´ω`) 恋愛のほうは正直行き当たりばったりですのでなにもかもが未定ですwそれでもこれからも楽しみにしていただければ幸いです! (2017年4月2日 20時) (レス) id: 9a5c590feb (このIDを非表示/違反報告)
ざらめ煎餅 - すっごく面白いです。更新頑張って下さい(`_´)ゞ (2017年3月31日 1時) (レス) id: 233c1dd62c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:赤兎リエ輔 | 作者ホームページ:http://nekomoti
作成日時:2016年12月23日 21時