【ハイキュー！！】白鳥から烏へ ＜part６＞

２８０羽 ページ33

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パチッ、と効果音がつくほど勢いよく目が冷めたのは午前5時前のことであった。まだぼやけている視界をハッキリさせるように目をこすり、枕元においてあったケータイを手に取る。

アラームより10分ほど早く起きたようだ。アラームを止めるよう設定して、すぐにベットから下りた。




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「いってきまーす。」



まだおきていない母にそう言って家を出たのは6時。今日でユース合宿も、擬似ユース合宿も最終日となる。ラスト1日ではあるが、Aは1日でも多く参加したいために昨日の疲れが残る中でも擬似ユース合宿に参加する道をえらんだ。



少し歩いて近くのコンビにへ向かい、そこに穴原が居るため彼の車に乗って白鳥沢へ向かう。流石にこの時間にバスは出ていない。親に頼むのも迷惑だと考えたあちら側の対応であった。



いくら寝起きが強いといえど、さすがにこの時間はきつい。しかも昨日の就寝時刻は今日のことをいろいろ考えてしまい1時ほどであるから、睡眠時間は4時間程度。それはいつも最低6時間は眠ろうと心がけているAにとっては中々にしんどいものであった。




「あ、穴原さん。」
「あぁ、白石か。おはよう。」
「おはようございます。すみません、朝早くに。」
「いんだいんだ。さ、乗って。」




道中、穴原はAに何も話しかけなかった。車の微妙な振動に揺られながらうつらうつらしている彼女をみて「寝ててもいいよ。」という一言を除いて。





ほとんど飛びかけの意識の中で車が止まったことに気づく。とたんに脳がさえて窓の外を見ると、そこには立派な校舎。どうやら到着したようで、穴原のシートベルトを外す姿を確認して自分のものも外した。





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ついたのは7時30分のことだった。穴原について食堂に向かう。どうやら今は皆朝食をとっているとのことらしい。

食堂に到着し、穴原が「いくよ？」とAに声をかけてから戸をあけた。がらっと音がして、少し集まる視線。



「ゆの！？」



穴原が注目、という声をかける前に日向が大きな声で叫んだために、もはや声をかける必要があるのかすら分からないほどに視線が集まった。それに穴原は苦笑いをしてから話す。



「あー、ごほん。今日でラストの合宿ですが、最後の日も白石さんにマネージャーとしてきて貰いました！」

「えっと……お久しぶり、です？ラスト1日、精一杯頑張りましょう。」




猛烈に突き刺さる視線の数々に注目されることの多い1週間だな、などと感じた。

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