【ハイキュー！！】白鳥から烏へ ＜part６＞

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それから幾日か日々が流れた。そうして訪れた今日、12月5日。ユース合宿と強化合宿が同時に開催される日。



「や、やべぇ……！」
「飛雄、語彙力なくなっちゃったの？」



Aは影山の隣に居た。何日も何日も悩んだ挙句、全日本ユースを選んだのだ。

東京都の北区にある体育館。そのあまりの大きさに影山は驚きを隠せないでいた。Aは中学時代全国大会の会場でいくらか大きい体育館に入ったことはあるため多少慣れてはいるが、それでもこの体育館の大きさは圧倒される。



体育館に驚く田舎者のふたりの背後から、誰かが声をかけた。



「烏野高校排球部……若利くん倒したトコかよ……。」



突然自分達の高校の名前を呼ばれてふたり揃って慌てて振り返る。そこにはマスクをつけ、目に生気が感じられない男の姿があった。彼の顔には影山もAも見覚えがある。



「っていうか……何で女子がいんのかと思ったら。お前……白鳥沢の白鳥？」
「……サクサさん。お久しぶりです。」



牛島と同じく全国5本の指に入るスパイカー、佐久早聖臣。中学時代に全国大会で面識はあった……とはいえ、まともに話すのは今日が初めてだ。

Aの後に続くように、影山が少し姿勢を正して言う。



「烏野高校1年、影山飛雄。セッターです。よろしくお願いします。」
「え〜……うん。」



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館内に入った影山とA。その施設のしっかりした様子に影山は田舎人丸出しに驚きそれを笑っている最中、「集合！」と声がかけられた。館内に散らばっていた選手たちが集まる。

Aは集合をかけた男に「白石さん、」と手招きをされた。並んでいる選手達の前に立って、その視線を浴びる。



「今回特別にマネージャーとして召集された。じゃあ挨拶頼む。」



挨拶を促されたため、Aはすっと息を吸った。



「烏野高校排球部マネージャー、白石Aです。今回ユースの合宿にマネージャーとして召集していただきました。……でも、まだこちらの合宿参加するとは決めていません。」



堂々と言い切ったAに、影山を除いた理由を知らない選手達がざわつく。コーチにらしき男も苦笑いを浮かべる。



「えー、彼女は宮城県1年選抜の合宿にも招待されているので、まだどちらに参加するかは決めていないらしい。」
「少なくとも今日1日はやり通します。今日限りになるかもしれませんがよろしくお願いします。」



なんとも異様な自己紹介に、選手たちはまばらな拍手を送った。

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