260羽 ページ13
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「蛍と黄金川くんともう1人DFの要がほしいから……百沢くんもいて欲しいかも。」
「ッス。」
「でもそれだと攻撃力に欠けるだろ?」
「……工が入れば問題ないんじゃない?」
「お、おう!やってやる!」
「レシーブヘタクソ3人組が……、」
「そこは否めない。」
着々とチームきめの会話が進んでいく。その結果、他に金田一、国見、Liに黒石を入れたメンバーで挑むこととなった。
割といいチームができたとAは少し満足げだ。ブロックは高く、攻撃力も五色を中心に国見や金田一でカバーできるだろう。後はどれだけ黒石が耐えられるかと、黄金川が上手くスパイカーを使えるかどうか。
「まあプレー盗むくらいの勢いで。頑張ってね。」
「オス!!」
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試合が始まった。やはり流石にOB・3年チームは上手い。牛島の鋭い攻撃を生かす繋ぎとカバー力、天童を中心としたブロック、どれをとってもバランスのよさが段違いだ。
「ブロック3枚でクロス閉める!黒石クン構えて!」
牛島に上げられたボールに月島、黄金川、国見が飛び、ストレートには黒石が構える。放たれたストレート、それを黒石が何とかあげるも乱れた。
「カバーカバー!」
「ナイス!」
「返せ返せ!」
「チャンスボール!」
「レフトこい!」
「ライト!」
様々な声が飛び交う。目の前で行われる3Dの世界やスパイクが決まって体育館の床がぴりっと震える感覚が癖になる。
選手は必死に1つの小さなボールを追いかける。それを追うために火傷の危険もプライドも投げ捨て、ただボールだけを見て突っ込む。そんな姿を格好いいと思ったのは小学3年生の頃。父が見ていたテレビのバレーの試合を見てからだった。
それからよく試合を見に連れて行ってもらった。ギャラリーからみる景色とテレビから見る景色はまったく違っていて、立体というものに初めて感動を覚えた。
特に男子バレーにしびれた。女子とは桁違いの威力のサーブ、スパイク。ひときわ小さなリベロがボールを綺麗につなぐ姿に魅了された。
そんなAの頭に浮かんだのは「バレーがしたい。」ではなく、「あんな人達のサポートがしたい。」という感情。
今、それが現実となっている。全国出場を成し遂げたチームのマネージャーとして全日本ユースにも招集されるほどに。幼い頃の祈願を果たすため、選手達の夢をかなえるため。
「(私にできることを全力でやるんだ。)」
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さりあ(プロフ) - 古森くんと佐久早くんの番外編のお話がちょっと見当たらないのですが番外編part2にありますか??お話がすごい気になります!! (2021年7月31日 1時) (レス) id: bfe73c86d0 (このIDを非表示/違反報告)
柿の種梅しそ味(プロフ) - すみません。なんか…話数違いません?なんか重なってる… (2019年12月23日 16時) (レス) id: c64161dde0 (このIDを非表示/違反報告)
赤兎リエ輔(プロフ) - ざらめ煎餅さん» とーっても嬉しいお言葉ありがとうございます!面白いだなんて畏れ多い…!凄く励みになります…!御期待、応援に添えるよう精一杯頑張らせていただきますので、どうぞこれからもご愛読いただければ幸いです(*´ω`) (2017年4月2日 20時) (レス) id: 9a5c590feb (このIDを非表示/違反報告)
赤兎リエ輔(プロフ) - tenipuri3rdさん» やっと続きを更新できます・・・!お待ちいただいてありがとうございました!楽しみにしていただけているようでなによりです(*´ω`) 恋愛のほうは正直行き当たりばったりですのでなにもかもが未定ですwそれでもこれからも楽しみにしていただければ幸いです! (2017年4月2日 20時) (レス) id: 9a5c590feb (このIDを非表示/違反報告)
ざらめ煎餅 - すっごく面白いです。更新頑張って下さい(`_´)ゞ (2017年3月31日 1時) (レス) id: 233c1dd62c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:赤兎リエ輔 | 作者ホームページ:http://nekomoti
作成日時:2016年12月23日 21時