3月3日 ページ20
Aside
『小説家に、なりたいんだ』
裏切り者の排除のあと、偶然あった織田作と一緒に帰っている途中、私に向かってそう言った。
私はゆっくりと織田作の顔を見た。
『何時か、この組織を辞めて、海の見える家で小説を書きたい』
そう言われて、私は何て返したらいいか分からなかった。
私は言葉を発するのが凄く苦手だ。
喉の奥が震えて、上手く声が出ないんだ。
そんな私を見かねてか、織田作は私の頭を優しく撫でた。
『A、何時か、お前にも夢が出来たなら………』
「おだ、さく………」
自分の寝言で目が覚めた。
ツゥッ、と頬に涙が流れる。
少し顔を上げると皆が顔を伏せながら眠る姿が見えた。
寒い
と思って身を固めるが、一度目を覚ますと中々眠れない。
仕方ない、と思い重たい体を起こす。
少しボサボサの髪を手篦で整え、三つ編みにしていく。
午前、５時半
今日も、先生の授業が始まる。
柊「今日も俺の授業を始める」
そう言った先生に向かい頭を下げ、席に着く。
私達に先生は問い掛けた。
柊「どうだ？昨日はよく眠れたか？」
お蔭様で、懐かしい夢を見てしまったよ、と心の中で応えた。
水越「眠れるわけないでしょ？」
柊「そうか、暖房完備でも雑魚寝はきついか！」
甲斐「くだらねぇこと言ってねェでさっさと解放しろよ！」
不眠、お風呂に入れず、そして十分な食事も取れない
皆のストレスは溜まっていくばかりだった。
柊「なら、早いとこ真実を掴まないとなぁ！」
真実
先生は、それをとっくに掴んでいるのか、それとも、掴もうともがいているのか。
柊「早速だが今日の課題を発表しまーす！」
茅野さんに部屋の電気を消すよう指示し、部屋が暗くなる。
そして黒板に大きくフェイク動画が映し出された。
おぉう、何か段々豪華になっていくな
柊「これは、ドーピング疑惑に使われたフェイク映像だ。
この動画を投稿したのは宇佐美だ。だが、撮影したのは別の誰か」
確かに……動画の手の肉付き、男っぽい。
甲斐「どうだか………罪を軽くするための言い逃れじゃねぇの」
その冷たい言葉に先生はすぐに否定する。
茅野「先生は誰か知っているんですか。」
柊「大体の目星は付いている。」
そして先生は何時ものように自分の手を挙げて見せた。
柊「フェイク動画を撮った人！
正直に手を！あーげーて！」
力強くそう言ったものの
教室には哀しき沈黙が広がるだけだった。
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雪椿 - 桜花さん» こちらこそコメント有難うございます！更新頑張りますので、之からも楽しみに待っていただけると嬉しいです。 (2021年3月5日 21時) (
レス) id: c09b58169c (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 更新ありがとうございます！ヽ(*´＾｀)ﾉ更新楽しみにしています (2021年3月5日 17時) (レス) id: 387b35d945 (このIDを非表示/違反報告)
くーと。 - う、うれじいでずぅぅぅう！( :д:) (2021年3月2日 23時) (レス) id: 717497968a (このIDを非表示/違反報告)
雪椿 - くーと。さん» 待たせてしまって申し訳ありません……。テスト週間でした……（´・ω・｀）これから更新できる日が増えると思いますのでよろしくお願いします！ (2021年2月27日 22時) (レス) id: c09b58169c (このIDを非表示/違反報告)
くーと。 - やっときたぁぁぁあ！！ (2021年2月27日 16時) (レス) id: 717497968a (このIDを非表示/違反報告)
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