【文スト】文豪さん、反応記録帳。五冊目

→ ページ25

芥川龍之介
「軟弱な奴め」
いつの間にか後ろにいた彼の声に、貴方が襟を掴んで持ち上げていた手を離す。
人が地面に強く当たる音が、暗く湿気った空間に響いた。
「A、後は好きにしろ」
その言葉に、貴女の口角が上がるのであった。

中原中也
「お〜お〜、可哀想になぁ？？」
傍に腰掛けていた彼が、愉快そうに笑う。
「…あんまり手荒な真似はさせたくなかったんだけどよ、」
貴女の笑っている顔が好きだから。
尚更、目の前の男に殺意が湧く。

森鴎外
「おや、今日は一段と返り血を浴びているね」
そう云って、高そうな手巾で貴女の頬を拭う。
マフィアの首領の登場で、益々顔が青ざめていく男。
「……まだ、吐かないのかい」
向けられた視線の冷ややかさに、その場が凍る。

坂口安吾
「余り無茶はしないで下さいね」
後ろから聞こえた声に貴女が振り返る。
「抵抗して、貴女に傷でも着いたらどうするんです」
『そんなの、今更』
と目尻を下げて笑う貴女に、胸が痛くなる。

フョードル・ドストエフスキー
「三途の川と云えば、この国では六銭持っていないと渡れないそうですね」
「貴方は貰えるでしょうか？六銭」
顎に手をかけた瞬間、男が絶命する。
「さぁ、お茶にしましょう」

＊構ってほしいものの、恥ずかしさで彼の後ろをついて回った→←彼の前でえげつない拷問をした

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す