snow white

ジャにの部屋にて＊＊＊風磨side ページ31

Aとあの日別れてから1週間。

あれ以来、俺から連絡することも無いし、もちろんAからの連絡もない。


連絡しないのではなく出来ないと言った方が正しいのかもだけど…


今日はYouTubeの撮影で朝から集まってる。


撮影の合間にふと山田くんから

「今日風磨大人しいじゃん。どーしたの？」と。


この人、ホント勘がいいっていうかなんていうか…


すると二宮くんも便乗するように

「あ、それ俺も思ってた。何かあった？」

言いつつも全く深刻ではない回答が俺から来る前提のテンションで聞いてくる。


風「何もないっスよ」


いつもの調子で誤魔化したけど2人が真顔で見つめてくる圧に負けて


風「………世界が違うって言われたんス」

そう言うと2人はなるほどねと納得した。


山「で、風磨はなんて言ったの？」


風「……何も言えなかったっス」

不甲斐ない自分に凹んでいると



二「…それさ、彼女の気遣いなんじゃないの？」


一瞬、二宮くんの言っている意味が分からずすぐに返事が出来なかった。


山「…あー。なるほど(苦笑)」


その隣で山田くんは妙に納得してるし。


二「一般人の自分がお前のそばにいたら、ゆくゆく迷惑かかると思ってるパターンじゃないのかって」

風「は…？え…？
いや、だって。今までも散々2人だけで一緒に飯食ったり出かけたりしてましたよ？」

二「いや、だから、それはさ。
友だちだからって理由で彼女も良しとしてたんじゃないの？
もしそれが公になっても友人ですって申し開きができるから」

山「俺もそう思う」


二「だけどさ、一線越えたらその手は使えないじゃん。
ま、嘘つけばいいだけの話だけど、それはきっと彼女の中ではナシなんだろーね。
お前の話聞いてるとその彼女、すごい真面目でお前のことをすごく考えてくれてるとしか思えんけど」

山「ほんと、そうっすね。
風磨、お前幸せなやつだな(笑)」

風「は？え？」


中「そう考えると、彼女もきっとすごく不安なんだと思う。
お前の大変な時期を知ってるんだとしたら、今のお前の環境が自分のせいで壊れてしまうのが怖いんじゃないかな」

今まで俺らの会話を聞いていた中丸くんからそう言われてハッとした。

山「そうそう。特にお前最近めっちゃ露出度高めだし(笑)」


中「彼女の言った世界が違うって、ホントその通りだと思うよ？
だけど、お前はそう言われて自分の覚悟とか思ってること何も伝えずに、逃げてるだけなんじゃないの？」


ぐうの音も出ねー……

不穏な影→←本当の気持ち

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す