【北信介】別の人の女になったで【宮侑】

初めてのファン感 ページ48

「日向くん久しぶりやな！」

「あ、小林さ.....あれ、もう宮さん？でも宮さんって呼ぶと三人....」

「あはははは、Aでいいって！」

「あ、でも下の名前で呼ぶと侑さんが怒るので！」

「なにそれ、ウケる」




仕事の休みとジャッカルのファン感が重なったので、久しぶりに足を運べば、ロビーの自動販売機で日向君と遭遇。

どうやらうちの旦那が恥ずかしいことをしているらしく、思わず笑ってしまった。








開会式が終わればまずは紅白戦。久しぶりにみたバレーは最高に面白くて。そしてなにより自分の旦那がカッコよくて。

ちびっ子から学生。若い女性からダンディなおじさんまで沢山の方が参加しており、アットホームな応援合戦。勿論私は旦那のいるチームを応援してしまうものの、敵チームの木兎さんがスパイクを決めれば思わず叫びたくなった。



「隣ええか？」

「あ、はい！どう..ぞって、え、信介さん！？」

「侑に誘われたんはAだけやないからな」

「「「こんにちは」」」



信介さんの後ろには3人の男性陣。赤木さん、赤葦くん、白福さんというそれぞれの人脈で集まったとのことだった。

侑の嫁です、と立ち上がってお辞儀をすれば赤木さんが驚いた。




「へー、侑のやつ....。大学入ってから一筋だったんやなぁ」


大学生の頃、私の知らない間に稲荷崎OBの人に写真が回ったらしい。一体私の旦那は何をしてるのか。

とりあえず他の方の邪魔になっても困るので、信介さんが私の隣、ほかの三人が私たちの後ろに座った。









「それでは、ファンの方にも選手と混ざってプレーしていただきましょう」

良くファン感に来る赤葦くんによれば、監督の無茶ぶりは恒例らしい。





「あー、じゃあそこの団体さん5人と....お、そこの元気のいい中学生！あとはそこの女子3人！」


若い団体って良く当てられるんですよ〜、ともう何度も経験したような口ぶりでいう白福さん。以外にも白福さんはこれでファン感は3回目だという。猛者だ。





コートに下りれば、即座にチームを分けられる。私と信介さんと白福さんは侑のいる赤、他二人は白と、良い感じに分かれたところで、侑が寄ってきた。



「頼むからケガだけはせんでな」

「はぁ？舐めるなよこの野郎！私だって大学の時はちょくちょくバレーしとったし、最近はママさんバレーだって始めたもん」

「頼もしなったなぁ」




信介さんは決して見世物ではない夫婦漫才に、感心していた。

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