足 ページ39
「勝手にしろ、俺はもう引退した身だ。会社の事は知らん！お前とも縁を切る！」
「まぁまぁ、そう言わずに。北さんも侑君もどうぞ座ってね。ごめんねぇ、いきなりだったからこんなお菓子しかないけど」
「うるさい！お前は黙っとれ」
至って冷静に、落ち着いて無視しててください。好き勝手にしゃべらせた方がうちのお父さんは落ち着きやすいです。
さきほど、三人で作戦会議して、最後に私が伝えた言葉。私の父はどこまでいっても毒親の具現化ですから、と笑えば信介さんは眉を潜めていた。
「言いたいことはそれで終わりやんな、こっちももう言いたい事はないねん。ほれ、言質とったし帰ろ。お父さんは会社に手を出さないから、これからも信介さんはお仕事続行。私は小林家と縁を切って、侑と結婚。ママにはごめんやけど、これで丸く収まるんちゃうか？」
「僕はAさんが言うとおりに進めば、それでいいです」
「俺もです」
「勝手にしろ」
3人で定食屋に入った。私はすっきりした顔で、信介さんはいつもと変わらぬ顔で。侑は納得してない顔で。
きっと優しい侑の事だから、縁を切るとか、そういうワードに慣れてないだけだと思う。だが、私からしたらあんな暴言は日常茶飯事で、褒めてもらった回数より縁を切ると言われた回数の方が多いと言っても過言ではないため、正直なんとも思っていなかった。いや、過言かもしれないが。
「さ、これでひと段落付きましたけどいかがすか？」
「相変わらずの毒親っぷりだった」
「侑、めっちゃビビっとったもんね、笑うん我慢するのに必死やったもん」
「俺は、解雇言われる思ってたから、拍子抜けとるなぁ」
「信介さん解雇してメリットないからですよ」
ずずず、蕎麦をすする音。きっと、信介さんと顔を合わせるのも今日で最後。家に帰って、急いで私物をまとめて出ていく予定だ。
実際体感では長く感じたものの、2か月しか経ってないのだ、侑の家から飛び出して。
きっと人生の中でもっとも濃い2か月だった。
「む、そういえばあとで退職届だしますね。年末だし、もうキリがいいでしょうし。新年始まる前にデスクも片付けときます」
「は、え？」
「あ、でも3月末まではいた方がいいのかな？木村が私の後釜となるとちょっと心配」
「待って、まだなんも言うとらんやろ。人の話を聞け、俺は退職を受け入れる気はないで」
はて、ここにきて話がかみ合わなくなるのは、笑いものだ。
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狼 - 三角関係ってやつですねぇ…ヤバイですねぇいいですねぇ←(さいてi (2020年3月20日 21時) (
レス) id: 58dc9d80b9 (このIDを非表示/違反報告)
本郷ゆい(プロフ) - ありがとうございます！！自分の中でもいかに北さんが喜ぶハッピーエンドというのが難題でした！最初から読んでいただけてるなんて、本当に光栄です。よろしければ少ないですが、小話と次作も読んでいただけると嬉しいです！！ (2020年3月7日 23時) (レス) id: 36ee06747a (このIDを非表示/違反報告)
本郷ゆい(プロフ) - 紫乃さん» ありがとうございます、めちゃくちゃうれしいです。当方本当に語彙がないので、国語辞書を片手に執筆したかいがありました！ (2020年3月7日 23時) (レス) id: 36ee06747a (このIDを非表示/違反報告)
本郷ゆい(プロフ) - 瑞稀さん» コメントありがとうございます。どうしてもここまで北さんについて深く掘り下げると、肩を持ちたくなりますよね！！小話では北さんに救われるよう書くので、楽しんでいただけたらと思います。 (2020年3月7日 23時) (レス) id: 36ee06747a (このIDを非表示/違反報告)
猫太郎丸 - 完結おめでとうございます！！！初投稿されたときからずっと見てた作品で毎回ムズきゅんされました…！侑くんも北さんも報われてほしくてでも作者さんの完結方法はとてもスッキリして今とても爽やかです！（？）改めまして本当におめでとうございます！ (2020年3月7日 22時) (レス) id: 3db7769967 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：本郷ゆい | 作者ホームページ：http://nanos.jp/honngoyui/
作成日時：2019年11月11日 22時
