遭 ページ25
浮気じゃないからやましいことなんてない、そう言い切れればいいのだが、生憎既に信介さんに抱いてもらった後。
やましい、残念ながら。
だがしかし侑は私の存在に気付いてないだろうし、このままライブが終わってくれればそれでいい。そう思っていた。
だがしかし、そう簡単に思い通りにいく訳もなく。ライブが終わり同行者のフォロワーさんと別れた瞬間、捕獲された。
「Aっ....」
「アカン待って。こっち見んといて、ほんまにアカン。その手を離してな、お願いや。もう私は別の男の所に行った、もう侑のもんやないねん」
「嫌や、絶対離さへん。...なぁ、俺怒っとらんで。せやから、頼むからこっち向いてや」
という流れをライブハウスの横で何回か繰り返した後、折れたのは私。まだ侑の顔は見れていないけど、何かしら話さないといけない事は分かっていたから、近くの居酒屋に向かった。
カウンターなら目線に困らない思っていたが、侑の先制攻撃。個室でお願いします、そう言い切った彼に付いていくしかなかった。
「頼むから俺の顔見てや、目が見れんかったらおでこでも見てればええから」
「おん...分かった」
渋々顔を上げれば半泣きの侑。もう何年も泣いている姿は見ていない。おでこを見ようとするも、私は侑と目を合わせて、逸らす事が出来なかった。
痩せた、少しやつれていた。まだ家を出て数週間なのに。栄養のあるご飯は食べているはずなのに。
その顔からは怒っている感情は見つからず、ただただ安心した顔だった。
「ほんま怒っとらんで、心配だった。まずAの父ちゃんやそのお見合いの人に変な事されてへんか、ご飯食ってしっかり寝れとるか」
「お父さんとはもう何週間も会ってない。今お世話になってる男性も優しくしてくれとるよ。わ、私は大丈夫、侑の方がなんだかやつれて見えるよ」
「そんなん...当たり前やろ、めちゃくちゃ心配したんやで。電話もでんし返事もない、あの置き手紙だけ。あるんは既読のみ。及川さんも飛雄くんも知らないの一点張り。治も知らん言うし、ほんまもう...」
消えそうな声で喋る侑につられて涙が出る。ごめんなさいとそれしか言えない、ただ謝る事しかできなかった。
向き合う形になっていたのに気付けば侑に抱きしめられていて。やっぱり侑に抱きしめてもらいたいと思うと同時に、信介さんの抱き心地を思い出した。
「本当は伝えたかったねん、お見合いの事。でも次何かあれば侑のバレー人生にどう影響が出るか分からん。それが怖かった」
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狼 - 三角関係ってやつですねぇ…ヤバイですねぇいいですねぇ←(さいてi (2020年3月20日 21時) (
レス) id: 58dc9d80b9 (このIDを非表示/違反報告)
本郷ゆい(プロフ) - ありがとうございます！！自分の中でもいかに北さんが喜ぶハッピーエンドというのが難題でした！最初から読んでいただけてるなんて、本当に光栄です。よろしければ少ないですが、小話と次作も読んでいただけると嬉しいです！！ (2020年3月7日 23時) (レス) id: 36ee06747a (このIDを非表示/違反報告)
本郷ゆい(プロフ) - 紫乃さん» ありがとうございます、めちゃくちゃうれしいです。当方本当に語彙がないので、国語辞書を片手に執筆したかいがありました！ (2020年3月7日 23時) (レス) id: 36ee06747a (このIDを非表示/違反報告)
本郷ゆい(プロフ) - 瑞稀さん» コメントありがとうございます。どうしてもここまで北さんについて深く掘り下げると、肩を持ちたくなりますよね！！小話では北さんに救われるよう書くので、楽しんでいただけたらと思います。 (2020年3月7日 23時) (レス) id: 36ee06747a (このIDを非表示/違反報告)
猫太郎丸 - 完結おめでとうございます！！！初投稿されたときからずっと見てた作品で毎回ムズきゅんされました…！侑くんも北さんも報われてほしくてでも作者さんの完結方法はとてもスッキリして今とても爽やかです！（？）改めまして本当におめでとうございます！ (2020年3月7日 22時) (レス) id: 3db7769967 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：本郷ゆい | 作者ホームページ：http://nanos.jp/honngoyui/
作成日時：2019年11月11日 22時
