私が君を愛すから ２【黒川イザナ】

再会・ ページ2

張り切って教室へ向かったのはいいことに




残念ながらイザナくんは教室に来ていなかった。




今年から復学することになっていても、学校へ通うかどうかは確かめようがない。




ちなみに、担任は熱血と知られる若い男の先生だ。




「いいか、最高学年なんだぞ。下級生の手本となるように…＿＿＿＿＿＿」




私は先生の話を半分聞きながら、窓の外を眺めた。




教室には来ていないけど、やっぱりあの人はイザナくんだと思う。




あんなに綺麗な白髪してる人、多分いないんじゃないかな…




「先生のモットーは、“誰よりも熱く燃えろ”だ！」




教室に笑いが巻き起こる。




私は相変わらず、彼の事ばかり考えていた。




＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

〈放課後〉




「Aちゃん、黒川探しに行くんでしょ？」




急に今考えてたことを当てられたので、少し驚いた。




『もう帰ってるかもだけど…。でも、今会いたい』




すると、伊織ちゃんは笑って




「いいと思うよ！いってらっしゃい。私、先帰ってるから」




と言ってくれた。




「何年たっても想ってる人がいるなんて、ロマンチックでステキだと思うよ」




『伊織ちゃん…ありがとう。私、探しににいってくるね！』




彼女の言葉に押されて、私は教室を出た。














…けど、あてもない。




イザナくんのいそうなところとかあるのかな…




とりあえず、空き教室へ向かうことにした。




電気がついていない日陰の廊下を歩く。




あまり人が通らないのだろう、埃がきらきらと舞い上がって、やけに目に焼き付いた。




そして＿＿＿＿＿＿




私は何気なく窓辺に放置された机を見た。











そこに座っている“生徒”は、春の陽気に包まれながら、優しく目を開けた。











「…A。戻ってきたよ」




“黒川イザナくん”




私がずっと探してきた彼。




『イザナくん…おかえり』




イザナくんは、あの頃と変わらない笑顔を見せた。



＿＿＿＿＿＿＿

イザナくんは、原作では違いますが「天竺編」の時の髪型をしているていで進めます。

・→←プロローグ・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す