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【NOside】
ヴーヴーとスマートフォンが鳴り、五条はポケットにあるそれを手に取る。
画面に表示された名前を確認するとすぐに通話ボタンをタップした。
五条「もっしもーし?GLG…」
七海《切ります》
五条「ごめん」
電話をかけてきたのは七海。
国際電話を使ってまで連絡してきたということは緊急性が高いものだと五条は察する。
七海《お忙しいところ申し訳ありません》
五条「ぜーんぜん。で、どうしたの?」
七海《Aさんのことで少し気になることが》
五条「あーやっぱり変?」
七海《やはりお気づきでしたか》
五条は手に持っているジュースの瓶を傾けながら「七海から見てどんな様子?」と訊く。
七海は《そうですね…》と少し言葉を選んで答えた。
七海《元気がないのは一目瞭然ですね。どこか緊張しているような不安な表情を浮かべている姿も多々見られます。少し隈も出来ているのであまり眠れていないのではないかと》
五条「僕も昨日電話でやり取りしたんだけど声に元気がなかったんだよね。何かあったって訊いても何もないって誤魔化されたし」
七海《私もそれとなく訊いてみましたが、答えはいただけませんでした》
七海から連絡が来るということはAの状態は想像以上に深刻だと五条は察する。
帰国予定まであと三日はあるが、多少余裕をもって組まれているスケジュールだ。
帰りが早まるくらいなんてことないだろう。
五条「悠仁のことも頼んでおいてあれだけどさ、Aのことも気にかけてもらっていい?僕もなるべく早く帰れるようにするから」
七海《もちろんそのつもりです。放っておけるわけないでしょう》
五条「七海みたいな後輩持ってて良かった」
七海《何ですか急に。気持ち悪い》
五条「照れるなよ」
互いに挨拶をして通話が終わる。
五条は残っていたジュースを一気に煽って「さてと」と椅子から立ち上がった。
五条「さっさと片付けて帰らないとね」
―――――大事なお姫様のために…
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更紗和金(プロフ) - マリオットさん» 一気みしてくださったとは…とても嬉しいです。こちらこそこんな自己満足作品を読んでいただきありがとうございます! (2022年10月2日 18時) (レス) id: b1ab373c3f (このIDを非表示/違反報告)
マリオット - 一気みしました!!すごいです!この小説書いてくれてありがとうございます!! (2022年10月1日 11時) (レス) @page3 id: 4a1e7dbbbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:更紗和金 | 作成日時:2022年9月25日 18時