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【NOside】
夏油「少しは私と話す気になってくれたかな?」
ニコニコと余裕の笑みを浮かべている夏油に対し、Aは緊張の面持ちでいつでも短刀を抜けるように構えている。
夏油「呪霊の言葉が解る術式──実に興味深い。特級レベルだと人語を話せる呪霊はいる。それ以下だとほとんどが話すことなど皆無だ。そういった知能を持ち合わせていないからね。思考能力も最低限な呪霊などわんさかいる。そんな奴らでも君は言葉を理解できるのかな?」
A「あなたに教える必要はない」
夏油「言葉が解ることで呪霊に同情したことは?」
A「教える必要はないと言ったはず」
頑なに答えようとしないAに夏油は溜息をついた。
思っていたよりも強情で面倒だと感じたらしい。
彼の口元から笑みが消えた。
この場からどう逃げ出すべきか…Aは思考を巡らせる。
玄関は後ろにある…横には廊下…前方には夏油。
この男に背中を向けるのは危険だ。
挑んで勝てるわけでもない。
このまま時間が経過し続ければ心配した野々宮が入ってくる可能性があるし、その場合は彼女が巻き込まれて危険な目に遭うかもしれない。
夏油「気が変わった」
夏油が指をパチンと慣らした瞬間、Aの背後に2級以上の気配を持った呪霊が現れた。
A「!」
夏油「このまま話をしても意味がなさそうだ。力ずくで連れて行くとしよう」
か細い猿のような腕をいくつも持つ呪霊がAに向かってその腕を伸ばしてきた。
呪力を足に集中させて間一髪避けるが、追尾型なのか追ってくる。
廊下へ逃げ、走るが何処までも腕はついてきてしまう。
夏油「果たしていつまで逃げられるかな」
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更紗和金(プロフ) - マリオットさん» 一気みしてくださったとは…とても嬉しいです。こちらこそこんな自己満足作品を読んでいただきありがとうございます! (2022年10月2日 18時) (レス) id: b1ab373c3f (このIDを非表示/違反報告)
マリオット - 一気みしました!!すごいです!この小説書いてくれてありがとうございます!! (2022年10月1日 11時) (レス) @page3 id: 4a1e7dbbbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:更紗和金 | 作成日時:2022年9月25日 18時