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【Aside】
A「悟」
五条「ん、なぁに？」
A「来週のお休みの日、ちょっと行きたいところがあるんだけど出掛けてきてもいいかな？」
悠仁くんの修業真っ只中であるにも関わらず、申し出たお願いに悟は快く了承してくれた。
当日になって早朝出勤だった悟を見送り、私も準備をして高専を出る。
ずっと考えていた…考えなければならなかった。
そして目を背けてはいけないその事実に向き合わなければならない。
まずは私が住んでいた実家がある杉並区へ…
電車に揺られて二時間弱。
久々に訪れた地元の駅は何も変わらない。
商店街も人通りも何も変わらない風景のまま。
商店街を抜けて住宅街へ行くと静かになる。
見覚えのある家やアパートがいくつもあって、少しホッとした。
最後の角を曲がって実家があるはずの場所に出たが、そこには見知らぬ一軒家がある。
表札を見ても違う苗字。
周辺を確認しながら歩いてみるけど“
今度は東京駅まで行って新幹線で東北へ。
祖父母の家がある山形まで来たけど、やはり家はなく。
周囲の人たちに訊いてみるものの、皆“檜野”という苗字の家は知らないと言った。
やっぱりだ…。
自分でも薄々感じていた。
ずっと疑問に思っていた。
本当にこの世界は私がいたところなのだろうか。
私はどういう扱いになっているのだろうか。
もし私が住んでいる世界のままならきっと私は行方不明扱い。
警察に届け出をされているかもしれない。
でも大袈裟なことを訊きに行く前にもっと手っ取り早い方法がある。
それは自分が住んでいた家を確認すること。
だから一人で探しに来た。
家があったらまずはお母さんに会って、心配かけたことを謝って、色々説明して…
そう思ってたのに…
A「帰る場所がないよ…」
帰りの新幹線の中、窓際に座る私は一人声を押し殺して泣いていた。
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更紗和金(プロフ) - マリオットさん» 一気みしてくださったとは…とても嬉しいです。こちらこそこんな自己満足作品を読んでいただきありがとうございます！ (2022年10月2日 18時) (
レス) id: b1ab373c3f (このIDを非表示/違反報告)
マリオット - 一気みしました！！すごいです！この小説書いてくれてありがとうございます！！ (2022年10月1日 11時) (レス) @page3 id: 4a1e7dbbbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：更紗和金 | 作成日時：2022年9月25日 18時
