【鬼滅の刃】陽光の巫女

電流 ページ11

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「天照大御神様、どうかその救いの光を我が御札に…ッ」
　


柏手を打って迫りくる鬼に投げつける。

淡く光る御札は、水中なんてお構いなしに水を切って進んでいく。



「小癪なッ」

陽の光をまとった御札に嫌悪感を抱いたか、機敏な動きでかわす鬼。


「苦しんで喰われたいか！」
　

ありえないほどの速さで距離を詰めてくる。


一瞬で目前まで迫った鬼がそのかぎ爪を振り御下す。



「ッ！」
　
間一髪抜刀して攻撃を受け流す。





鬼が一度私から離れる直前、


「…フッ」

その口角が上がるのが見えた。





「血鬼術 水雷(すいらい)」

「天岩戸(あまのいわと)！」
　

柏手を打って、私の周りに散らばった御札が反応するのと同時。

一瞬のことだった。


視界が昼間のように明るくなったのは。
　




バリバリバリバリッッッ！！という轟音が後付けされたかのように、暗い水中に響いた。




「結界の類か。人のくせに妙な術を使いおって」
　


私の周りを回る、淡く輝く何枚もの御札。


まだ効果は発揮しているが、よく見ると一枚一枚、一部が焦げたように黒ずんでいる。
　



電流だ。
　

高圧の電流がこの霞湖全体に流れたんだ。
　

あとコンマ一秒でも結界の展開が遅れていたら、今頃私は黒焦げだったのか。



あんな電気、一瞬でもくらえば大怪我じゃすまない。
　







死ぬ。
　


体が震える。骨の髄から震えて止まらない。
　



怖い。


怖い恐いこわい。
　



結界を解いて水中に出れば、またあの血鬼術が来るんじゃないか。


あれ以上に強い術があるんじゃないか。
　



次こそ本当に、殺られるんじゃないか。
　




この仕事が、初任務なのに…？



初任務で、私、終わっちゃうのかな。









『陽光神社の巫女として、そして鬼殺隊として、鬼を狩るのです。その特別な力で、人々を救うのです』


『殺されないこと』



『鬼なんて、あんたにかかれば瞬殺でしょ？』






『Aちゃんなら絶対倒せる！』
　







……そうだ。
　



家族と約束したばっかりじゃん。
　

善逸だって鬼と闘ってるんだよ。
　




こんな鬼に、挫けてる場合じゃない！

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