烏よ、再び【ハイキュー！！】

烏よ、地へと ページ4

──一年前。



｢Aっ！｣



　相手チームの強烈なサーブにレシーブが崩れ、Aにトスを上げる。



　その頃の俺は、まだチームメイトを信頼しきれてなくて。



　とにかくエースのAにトスを上げた。



A『おう！』



　Aはそう威勢良く返事をして跳び上がった。



　ボールはAの手に押され、高速のスパイクと化して相手のコートに落ちた。



　──俺は気付かなかった。



｢ナーイス、A！｣



　そう駆け寄ると、Aは顔も上げずにただ荒い息を吐いていた。



｢……A？｣



A『スガ』



　一言、低く呟いてAはようやく顔を上げた。



　尋常ではない程の汗。



　青ざめた顔。



　噛み締められた唇。



　そして、痛みに歪められた表情。



『……ごめん。ちょっともう、限界』



　Aはそう言って引き攣った笑顔を見せた。



　今まで跳び続けたその足が、膝が、カタカタと震えていた。



　──何が、セッターだ。



　何が、チームの司令塔だ。



　司令塔だなんて言ったって。



　俺、チームメイトのことすら分かってないじゃないか。







　俺が、Aという一人のスパイカーを、潰した。





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すみません、編集し直しました。

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