烏よ、再び【ハイキュー！！】

烏よ、標を ページ25

菅原｢滝ノ上さん！｣



　菅原がトスを上げ、滝ノ上が速攻としてスパイクを打つ。



　ボールがダンッと床を叩いた。



『スガさーん。俺もトス欲しいんですけどー？』



　８のゼッケンを着たAが拗ねたように頬を膨らませた。



　普段ならばこんなことはしないのだが、怪我の遅れを取り戻す為だろうか。



菅原｢はいはい分かったってば。次お前サーブだろ。早く行け｣



　そんなAを菅原は雑に扱う。


　
　追い払われたAはボールを持ってエンドラインに立つ。



　開始の合図とともにサーブ。澤村のレシーブ。



　Aは現在後衛の為、ブロックに参加することは出来ない。



　必然的にレシーブだ。



『──は？』



　影山がトスをしたと思った瞬間、もう日向がスパイクを打っていた。



　あの超速攻だ。



　Aは横に跳んでレシーブしようとするも、ボールはそれより先に床につく。



　ピッと笛が向こうに点が入ったことを知らせた。



内沢｢何アレ？ ていうか兄ちゃん、よく反応したな｣



『ありがとうございます……』



　兄ちゃん、という呼び名に戸惑いつつもAが曖昧に返事を返す。



菅原｢反応出来るんなら、あれをブロックするのも夢じゃないかもな｣



『頑張るわ。……でもあの速攻、真ん前でやられたらどうか分かんないけど』



　レシーブだからまだAも反応出来たものの、ブロックなら難しさは段違いのはずだ。



　Aはんーっ、と腕を組んで小さく唸った。



滝ノ上｢ま、弱点見つけられればこっちのもんだ｣



嶋田｢いやいやー、弱点は見つけるんじゃなくて、作るもんでしょ｣



『嶋田さん、怖いです』



　笑いながら中々えげつないことを言う嶋田から、Aはそれとなく距離を取った。

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