日常102 孤独な科学者 ページ25
「次はどこへ行くんだ?」
「あー、決めとらんのぉ。」
少女は行き先が決まってないことに頭を悩ませる。
この近くにはどのような星があったか…地図を広げ三人で見る。
がしかし、興味を引く星がない。
_どうしたものか。
三人が困り果て宙を仰いだ時
「あれ、何だ?」
ラトローが指さす先には、ひっそりと小さ目な一つの星があった。
輝きが薄れたその星は地図には載ってなく、三人は興味を示した。
「あそこに行こう。」
「異論はないな。」
「うむ。行こうか!」
船の行き先が決まり、少女は船を操作する。
順調に星に近づき、着陸する。
三人は船から星の様子を確認する。
星の表面は氷に覆われており、生命の影は一つもない。
_この星はハズレだったか。
三人が肩を落としたその時
「誰だ?」
一人の男がやってきた。
彼はこの星にいる独りの科学者だという。三人は船に招いた。
「余はレクスだ。」
「俺はラトロー。」
「わしはカニスじゃ。」
三人は順番に自己紹介をする。
「…名は忘れたよ。」
科学者は寂しそうにつぶやいた。
科学者の話によるとこの星では昔からとある研究が行われており、その研究の結果が現在の変わり果てた星であるそう。
この科学者は独りでこの星に残り研究をしているらしい。
三人は科学者に招かれ、科学者の研究所に入る。
「この花は…カメリアか。」
研究所内にはカメリアの花畑があった。
その先にはテーブルと椅子があり、科学者はそこに三人を座らせ、紅茶を用意した。
「少し話をしようか。」
科学者は座り、少し話を始めた。
_私は私が何者であるのかがわからないんだ。
生まれた時から名前などなかったのかもしれない。それすらもわからないんだ。
ここでしていた研究は最初は生命(カメリア)を生むことだった。誰でもいい、何でも良い。私以外に生命が欲しかった。
それは成功したよ。でも、今度は私の命が付きそうになった。
私は何も知らずに死ぬことが恐ろしくなり老いを止めた。
研究は気が付けば人の道を外れたのさ。
_あぁ、今日は良い日だ。人に会えた。会話を交わすなんて初めてかもしれない。
孤独な科学者は天井を仰ぎ、涙を目にためながら言った。
「なら、科学者殿も一緒に来ると良い。」
少女はそんな科学者を見て言った。
独りが嫌なら、自分を知りたいのなら一緒に旅をすればいいのだ。
科学者は少女の言葉を聞いて目を見開いた。
525人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ヒプノシスマイク」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
大阪の女 - Stellaが良すぎましたありがとうございました (2023年3月29日 9時) (レス) @page29 id: f50a0ac3bb (このIDを非表示/違反報告)
蒼羽 - 初めまして。こんにちは(^^)芋けんぴさんの作品楽しく見させていただいてます。話の続きも是非読ませていただきたいです。 (2022年10月12日 16時) (レス) @page50 id: 7d7f47de01 (このIDを非表示/違反報告)
蒼羽 - 初めまして。こんにちは(^^) (2022年10月12日 16時) (レス) @page50 id: 7d7f47de01 (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - ねむさん» ねむ様、コメント及びご指摘をありがとうございます。完全なる打ち間違えです…。そのせいで寂雷さんが凄くネガティブな人になってました…。現在、訂正させていただいています。意味までご丁寧に教えていただき勉強になりました。改めてありがとうございました。 (2021年7月19日 15時) (レス) id: e6e71631e0 (このIDを非表示/違反報告)
ねむ(プロフ) - 日常107出発のmourningは悲嘆,哀悼 、哀悼の意を表すこと、喪服,喪章という意味(コピペ)ですよ。朝はmorningです。 (2021年7月19日 9時) (レス) id: 2b048548d5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:芋けんぴ | 作成日時:2020年8月3日 20時