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『……ぐｯ、はぁ…っあ、ｯ』
飲み込んできた影は予想以上にA自身のを蝕んでいた
身体も、心も。記憶にすら入り込んできて
大切な、暖かい記憶達をスコルの影によって黒く黒く、染め上げられていく
「全く、ヒドラってのは使い物にならなかったね」
Aの中の闇の力を増幅させるには、闇の感情に支配させなければならないのに
Aはスコルの思惑とは相反して幸福な記憶を積み重ねていた
彼女の記憶を除きこんだスコルは吐き気を催しながらも嘲笑うように蝕み続けた
『や、っめろ……』
狙撃手の彼との、初めての記憶
夢に見続けてきたAの中で1番大切な記憶にスコルが触れた
"『あなた、ゆめであったことある』"
彼の、クリントの大きな手がAを包み込む
暖かい彼の体温が心地よくて、クリントの隣が暖かくて
人の心を読めてしまう私の手を、彼はなんの躊躇もなく取って導いてくれた
クリントーー
貴方を忘れるなんて、
「さようなら、私の可愛いA」
『っが、ぅｯ…ぁ…ろ、き…！』
苦しむ中で、何処から取り出されたのか短刀が突如Aの手元でエメラルドに輝き始める
突然の光にスコルは目を覆われ、影は光によって弱まっていく
「ふぅ、貴様の記憶は反吐が出るなA」
『っ、はぁ……どーも』
短刀はロキに姿を変え、彼は隣で呼吸を乱すAを皮肉にも見下ろした
そして文字の如く、狼狽えるスコルに視線を送る
「ふっ、貴様の中に入ってしまえばこちらのものだぞスコル。意外と頭が悪いんだな」
「貴様如きが、図に乗るなよ」
角が立つロキの発言にスコルは隠そうともせず苛立ちを露にする。そんな様子にAからはため息がこぼれた
どうしてこうも、地球外の連中は厄介な人達ばかりなのだろうか。宇宙規模で考えることなど、自分には到底出来そうにない
ノイズ音が脳内で喚き散らかす中、ふらつく足元に力を入れる。相変わらず影に飲み込まれたままだが足底から暖かい力が全身を巡り始めた
恐らく、太陽の力ーーー
「A、お前に私を殺せるかしら」
野太い声が、凛と透き通るものに変わった
それは紛れもなく、母の声色で
Aの瞳はほんの僅かに開かれる
そしてまた、残酷にも彼女の幸せな記憶は掻きむしられていくのだ
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翡翠(プロフ) - 初めてコメントします、、、！アベンジャーズとクリント・バートンが大好きでここに辿りつきました！めちゃくちゃ読みやすくてストーリーも面白くて一気に楽しませて頂きました！無理は言いませんので(むしろいくらでも待ちますので)続きが読めたら嬉しいです、、、！ (2022年6月7日 21時) (
レス) @page14 id: e65fca4c0e (このIDを非表示/違反報告)
おもちちゃん(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです!また続きを更新してくださるのを待ってます! (2022年5月21日 14時) (レス) @page14 id: b3862cde2f (このIDを非表示/違反報告)
yk6772(プロフ) - 奏さん» コメントありがとうございます！私もMARVELがとにかく大好きで、他作品へのきっかけなどになって嬉しいです。お楽しみいただけるよう、マイペースですが更新していきますので宜しくお願い致します！ (2022年2月11日 23時) (レス) id: 6eded9b577 (このIDを非表示/違反報告)
yk6772(プロフ) - でん太郎さん» コメントありがとうございます。そしてお気遣いまで頂きましてとても嬉しいです。素敵なご意見を頂いた上、引き続きお楽しみ頂けるよう執筆させていただきます！ (2022年2月11日 23時) (レス) id: 6eded9b577 (このIDを非表示/違反報告)
yk6772(プロフ) - 千紗さん» コメントありがとうございます。滞ったりマイペース更新ですが、お楽しみいただけてとても嬉しいです！ (2022年2月11日 23時) (レス) id: 6eded9b577 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リオハ | 作成日時：2021年1月15日 0時
