第六章20＿不器用な励まし ページ21
ヴィル「よく似合っているわ」
『あはは、どうも』
ヴィル「まぁ、アタシがやったから当然だけども」
『て、自画自賛じゃないですか』
ヴィル「あら。似合っているのは事実よ」
足下のマットに散らばった私の髪の毛たち。
それをいつの間にかステラが箒で掃き始めている。相変わらず、仕事が早い。
『ステラに、髪を切る事話していたんですね』
ヴィル「玄関であった時に話したの。大きな鏡はあるかと聞いたら、態々取りに行ってくれたみたいね」
いい仕事するわ、と言いながら自分はハサミなどを片付けている。
座ったままの私は鏡を再度見つめる。
頭を左右に振ってみると、各段に軽い事が分かった。
『…ありがとうございました、ヴィル先輩』
ヴィル「お礼はやめてよ。アタシが勝手にした事だし…はんば無理やりだったから」
『あ、そこは自覚おありで』
ふふっ、と笑い、短くなった毛先に触れる。
髪と共に、心に乗っかっていた不安が少しだけ払われた気もする。
悩んでいた所で、始まらないと私の中で訴える。
すると、再びオンボロ寮のブザーが響きわたり、玄関から3つの足音が聞こえてきた。
エース「おいーっす、A。たこ焼きとかイカ焼きとかあったから買って…え？」
デュース「丁度エペルも一緒だったから………ヴィ、ヴィル先輩？」
エペル「A…たげ、短くなってる」
エース君たちが戻ってきて早々、ショートになった私の髪の毛に驚いている。
予想通りのリアクションだなぁ。
ヴィル「それじゃあ、アタシは戻るわ。アンタたちも炭水化物の食べ過ぎには注意しなさい」
『はい。ありがとうございました』
ヴィル「だから、お礼はいいって。それじゃあね」
早々と片づけを済ませたヴィル先輩は荷物を手に、驚く3人をよそに立ち上がる。
ヴィル「……A」
髪の毛についてアワアワしている3人を見ていると、談話室の扉の前でヴィル先輩が私に背を向けたまま、呼んだ。
ヴィル「きっと大丈夫よ」
何が、とは語らずともわかった。
彼なりの気遣いにそっと目を伏せ、『そうですね』と彼に返す。
その呟きだけ聞くと、彼はオンボロ寮から出ていった。
その後、残った3人に事の顛末を聞きだされたのは言うまでもなく、ステラの完璧な掃除により、談話室の床はピカピカになったのだった。
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ナギサ(プロフ) - あ"〜……本当に主様やってくれますね。自分好きな言葉をいつもいつも小説に組み込んでくれている…超能力者ですか？？？ (11月25日 16時) (
レス) @page21 id: f18589988d (このIDを非表示/違反報告)
ALICE(プロフ) - ふわなさん» お返事おくれてしまい申し訳ありません！誤字がちょびちょび目立ってしまいますが、楽しんでいただけたら嬉しいです！一時期更新停止いたしますが、今後ともこの作品をよろしくお願いいたします！ (2021年11月18日 23時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
ALICE(プロフ) - ふわなさん» お返事おくれてしまい申し訳ありません！誤字がちょびちょび目立ってしまいますが、楽しんでいただけたら嬉しいです！一時期更新停止いたしますが、今後ともこの作品をよろしくお願いいたします！ (2021年11月18日 23時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
ふわな - 初コメ失礼します！素敵な作品に合うことができました・・・！お話もかなり続いていてすごいです！文もなんだか頭に入りやすくて！大きな誤字も無いので少しの誤字なら大丈夫ですよ！応援しています！好きなアニメの要素があって好きです！頑張ってください！！ (2021年11月2日 18時) (レス) @page40 id: 7054f2498a (このIDを非表示/違反報告)
ALICE(プロフ) - モモカ🌼さん» ありがとうございます！かなり長いシリーズですのに、それを毎日見て頂けてとても光栄です！今後とも更新頑張りますのでよろしくお願いいたします！ (2021年10月13日 21時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ALICE | 作成日時：2021年9月24日 16時
