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柱稽古の始まり ページ15

隣にいた時透が、あ、と呟いたのが聞こえた。

ひとりごとのように続ける。

「Aは良い子だねって言おうと思っていたのに。」

「ええ、Aはとても良い子なんです。Aは。」

返答に冨岡への皮肉も込める。

驚いたことに、不死川も反応した。

「Aはなァ・・・。」

先の冨岡への絡みといい、相当Aを気に入っているらしい。

静かに話していた三人が口をつぐんだところで、悲鳴嶼が口を開いた。

「一つ提案がある・・・」



Aは蝶屋敷で入院している炭治郎のお見舞いに来た。

善逸も一緒だ。

二人は今日から柱稽古に参加する。

隣に座った善逸がずーんとしている間に、Aは炭治郎に柱稽古の説明をした。


柱稽古とは、順番に柱を巡って稽古をつけてもらうというもの。

柱はこれまで継子以外に稽古をつけなかった。

ところが禰󠄀豆子の太陽克服以来、鬼の出没がピタリと止んだ。

この期間に鬼殺隊の強さを底上げしようという意図だ。


「そうなんだ!凄いな」

顔を赤くして驚く炭治郎。

もちろん、Aもワクワクしている。

そんな明るい二人の横で、善逸はものすごく落ち込んでいる。


柱稽古の凄さを熱弁する炭治郎。

善逸が噛みついた。

頭に。

(え、え、え善逸君!?)

そして炭治郎を怒鳴りつける。

相当稽古に行きたくないらしい。


それでもきちんと立ち上がるのだから立派なものだ。

病室を出かけた二人に、炭治郎が声を掛けた。

「言い忘れてたけど、ありがとう。」

刀鍛冶の里での戦いの時、善逸が教えてくれた雷の呼吸のコツのおかげで頸を斬れた。

そう話す炭治郎。

善逸はニッコニコになった。

(炭治郎君、ナイスパス!)

鼻歌でも歌い出しそうな善逸とともに、まず向かうのは宇髄天元のところだ。



「よおA!元気でやってるか?」

竹刀を担いだ宇髄が笑顔で迎えてくれた。

また上弦と戦ったことに言及して、怪我の様子を聞かれる。

『ありがとうございます!怪我は完治しました。』

そう。

怪我は完治した。

しかしA、里での戦い以降、本格的に鍛錬をするのはこれが初めてなのだ。

鍛錬の許可が出たのが昨日のこと。

だから体力は落ちている。

「いいってことよ!ここで存分に鍛え直して行きな。」

宇髄にぺこりと一礼して、善逸と並んで走り始めた。


意外といい速さで走れている。

と思ったら、後ろで宇髄が隊士たちをしごいていた。

ざるそば早食い勝負→←緊急柱合会議



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ひかる(プロフ) - ミユさん» ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです(*^^*) (5月7日 7時) (レス) @page42 id: c4c9e482b4 (このIDを非表示/違反報告)
ミユ(プロフ) - 普段小説などで泣かないのですが、大泣きしました。この作品大好きです。 (5月6日 22時) (レス) @page45 id: 14f11f958d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひかる | 作成日時:2024年3月9日 9時

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