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▽ 主side ▽
GW合宿が終わって、学校が始まって。
色々あった合宿から、約一週間が経っていた。
部活終わり、パタパタと忠と並んでモップを掛けていれば。体育館の隅で、先輩達が何かを見ながら「すげぇー」と声を上げているのが聞こえた。
「どうしたんだろうね」
そんな忠の言葉に、んー、と少し考える声を出す。
多分、先輩達が手に持っている雑誌。あれは、表紙からして月バリだろう。
「ちょっと、行ってみよっか」
僕はそう忠に声を掛けて、2人でモップを即用具室に片付けると。盛り上がっている先輩達の方へ、駆け足で近付いた。
「白鳥沢って影山が落ちたトコ!」
翔陽の突然の声に、少しだけピクリと肩を跳ねさせる。
彼が見ている雑誌を覗き込めば、やっぱりそれは月刊バリボーで。
しかも、僕がまだ読んでない今月号。
翔陽が開いているページには、でかでかと牛島さんの写真が載ってあった。
うわぁ……。
先輩達が牛島さんについての話をしているのを、流し聞きしながらそのページをまじまじと見つめる。
顔がいいだけあって、やっぱり写真も凄くかっこよく写ってる。強そう。
…こんな人と、僕はアイスを一緒に食べたのか。
…しかも、ラブポーションフィフティーワンを食べてたんだよな。
そんな事を考えながら、ボケーッと牛島さんについての説明やらに目を通していれば。
烏養コーチが、先輩達の話に加わって、強豪校の話をし始めた。
まぁ、ざっと纏めると。
今回のインハイ予選での、警戒すべき強豪校たち。
和久谷南、伊達工業、青葉城西、白鳥沢。
この4校の話。
コーチの話を聞きながら、僕は1人心の中でため息をついた。
…どこもかしこも、やりづらいとこばっかりじゃないか。
て言うか、あの茂庭さん達が居る伊達工まで強豪とか聞いてないんですけど。
前回戦って、ボロ負けしたっていうのは知っているけどさ。
知り合いが所属するとこが、兎に角強過ぎる。
だからと言って手を抜くわけじゃないし、戦うのは楽しみではあるけれど。
複雑な気持ちにはなるもんだ。
コーチの話が終わるとタイミングよく、武田先生も体育館にやって来て。
彼の手には、インハイ予選の組み合わせ表が握られていた。
ウチのシードは、青葉城西。
ぞくりと、身体が奮い立つような感覚に陥った。
それは恐怖なのか、武者震いなのか。
「目の前の一戦、絶対に獲ります」
そんなキャプテンの言葉に、僕は深く、頷いたのだった。
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ゆん(プロフ) - おもしろくてすぐに読み終わりました(о´∀`о)続きが気になります😃更新頑張って下さい(*´∇`*) (2022年7月6日 12時) (レス) id: d0dd043faf (このIDを非表示/違反報告)
naonao(プロフ) - 更新待ってます!!! (2021年10月29日 14時) (レス) @page37 id: d20e044f3d (このIDを非表示/違反報告)
MiSo(プロフ) - 続き楽しみにしています!!更新停止中ですが、再開したら無理せずに頑張ってください!応援しています! (2020年7月12日 0時) (レス) id: 78c105b37d (このIDを非表示/違反報告)
ミューナ(プロフ) - お気に入り登録が819になってる…! (2020年5月4日 8時) (レス) id: d5974347c1 (このIDを非表示/違反報告)
咲夜 - 面白いです(*^^*)合宿の話とかすっごい気になります!更新頑張ってください、("⌒∇⌒") (2020年4月28日 15時) (レス) id: d570b5d827 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヒマリ | 作成日時:2020年4月27日 23時