[108]夜中の誘惑 __ 日向side ページ16
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▽ 日向side ▽
「…ん〜〜」
夜中。慣れない場所で寝ていた為か、ふ と目が覚めた。真っ暗な中、目を擦って隣に寝ているAの方に目を向ける。
…何で王子様なのに、こんな可愛い顔してるんだろう。
スースーと、静かな寝息を立てながら彼は幸せそうに眠っている。その寝顔は、多分誰が見ても可愛いと思うくらいの、綺麗なモノで。
思わずため息をついてしまいそうだ。
いや、王子様だからこんなに綺麗なのか。
じゃないと、王子様なんて呼ばれる訳ない。
そっ、と手を伸ばして彼の髪の毛に触れる。
サラサラで、俺の髪とは正反対で、食べたいと思うくらいの手触りの良さ。
んで、ずっといい匂いがする。
「…んっ」
「!?」
やべ!起きた!?
と思って、バッと手を離す。
「…ん〜、翔陽…?」
「…お、おはよ」
起 こ し て し ま っ た 。
えーーーー…っと、どうしよう。
「……翔陽がいるわけないか〜」
俺が困っていると、何故だかそう言って笑うA。
何だろう、寝ぼけているんだろうか。
まあ、合宿じゃなければ俺が居るわけないし、そりゃそうか。
そして、そんな彼からスっと伸ばされた手は俺の頭を撫でる。
「!?」
…えっ!?何で俺撫でられてんの!?
いや、嬉しいけどさ!?
「…翔陽ってなんか、マスコットみたいなんだよなぁ」
「…そ、そうかな」
そう微笑まれて、暫くの間頭をなでなでなでなで、とされて。俺は、ただ黙ってされるがまま。
いや、だって、こんなん、ずるい。
笑顔はやっぱり可愛いし、寝ぼけているせいで呂律が回ってないAも可愛い。王子様なのに。男なのに。
何でこんな可愛いんだ、Aって。
「…夢なら、いいよね」
Aは小さな声でそう言ったかと思うと、スっと俺に近付いて。ぎゅうっと、抱き締められた。
「!?!?!?」
…はぁっ!?ちょっ、さっ、さすがに声出るんだけど!?
「Aっ…!」
「ん〜…ふわふわ…」
名前を呼んでみても、彼はそんな訳の分からない事を言うだけで。全く、俺の事を離す気配はない。
でっ、でも、別に離して欲しい訳じゃないしな。
上を見上げれば、すぐそこにAの綺麗な顔があって。
あぁ、ちょっともう無理だ。
って、思った。
ドキドキドキドキと、俺の心臓は鳴り止まなくて。
綺麗なAの顔は、スグそこにあって。
…俺、本当にどうしちゃったんだろう。
それから、俺は暫く寝付けなかった。
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ゆん(プロフ) - おもしろくてすぐに読み終わりました(о´∀`о)続きが気になります😃更新頑張って下さい(*´∇`*) (2022年7月6日 12時) (レス) id: d0dd043faf (このIDを非表示/違反報告)
naonao(プロフ) - 更新待ってます!!! (2021年10月29日 14時) (レス) @page37 id: d20e044f3d (このIDを非表示/違反報告)
MiSo(プロフ) - 続き楽しみにしています!!更新停止中ですが、再開したら無理せずに頑張ってください!応援しています! (2020年7月12日 0時) (レス) id: 78c105b37d (このIDを非表示/違反報告)
ミューナ(プロフ) - お気に入り登録が819になってる…! (2020年5月4日 8時) (レス) id: d5974347c1 (このIDを非表示/違反報告)
咲夜 - 面白いです(*^^*)合宿の話とかすっごい気になります!更新頑張ってください、("⌒∇⌒") (2020年4月28日 15時) (レス) id: d570b5d827 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヒマリ | 作成日時:2020年4月27日 23時