番犬くんのセンラさん

34 女顔負けの中性的イケメン ページ34

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｢あれれ、なんで俺がメイドなん？？
ん？執事、でもなくメイド？｣

｢ボーッとしてたセンラが悪いね｣

｢え、え？むさ苦しい男共にご奉仕せなあかんの？なんの拷問ですか？？｣

｢似合うじゃない？メイド服｣

｢冥土服？？そのまま逝っちゃいそうなんやけど！！｣




結局、私たちのクラスの出し物は"男女逆転メイド喫茶"になった。最初はメイド喫茶になりかけていたんだけど、普通のじゃつまらないっていう声が多くて、こうなった。


案の定、少し中性的なイケメン顔のセンラが売り子になるのは当たり前で。今も、立ち上がってクラスのみんなにメイドをすることを拒否しているが、無理そうだ。


センラがメイドだったらすごい盛況しそうだし。どうせ、女子顔負けの美人になるのだろう。





｢なんでそんなに嫌なの？｣

｢だって考えてみて下さい。仮にも、組の若頭やってんのに女装してしかもメイド！？こんなん示しつかんわ！組のやつに見られら笑いもんやで！

それで脅されて若頭降ろされたらどうすんねん！｣

｢いや、降ろされる前にそいつを潰すでしょ｣

｢まぁそうなんですけど｣





周りに聞かれないよう、こそっと話す。最悪や、と頭を抱えて嘆くセンラ。私はセンラの女装メイド見たいし、至って他人事なので、まあ頑張れと声をかけると、ジト目で見てくる。






｢じゃあ、男子決まったし女子決めてきまーす｣

｢はーい！女子は絶対理恵ちゃんがいいと思う！｣

｢お、いいじゃん！絶対イケメンになるわ〜｣

｢...え私？｣






サクサク進んでいき、次は女子の売り子を決める番。真っ先に理恵の推薦が出て、私も心の中で激しく頷く。

男女逆転メイド喫茶になった時からずっと頭で考えていたんだ。ぜっっっったいイケメンになる。


理恵はキリッとした感じのイケメン顔の美人だし、背も高くすらっとしているから、男装とかしたら必ず惚れる女の子が現れるだろう。イケメンな対応のことも多いし。


それこそこっちも男顔負けのイケメンになるだろう。






｢えぇ、恥ずかしいしやだよ〜｣

｢お願い理恵ちゃん！頼むよ〜｣




理恵もちょっと迷うところがあるのか、少し渋っている。私は賛成、大賛成、とこちらも至って他人事で見守る。






｢うーん........佑月もやるならいいよ、｣

｢五十嵐さん？｣



｢...え？｣

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