30 いち、にー、さんかい ページ30
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「はい、言われたとおり持ってきたけど」
「これはセンラが責任をもって洗っときますね」
「....うん。念入りに綺麗にしといてね」
授業後、センラに洗濯を頼む。何故、センラわざわざ洗濯したがるのかは不思議だけれど。志麻先輩に敵対心を持っているセンラに任せるのはちょっと不安だけど、私より主婦力が高い彼に任せておいた方が確実だろう。
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「あ、先輩のジャージ乾いた?」
「後で持ってくんで大丈夫ですよ〜」
「.....ん?なんでもう一回洗濯機入れんの?」
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「もういいでしょ、ちょーだい。
......なんで匂い嗅いでるの?くさい?」
「んー、かすかに残ってんなぁ」
「?」
「待って、あと1回!」
「えぇもういいよ....」
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「よし!これでカンペキに洗剤の花の香りや!残念やったな、月崎志麻!!」
「ハイハイ、何がしたかったんだか....」
「お礼にデートしてとか言われてもついて行っちゃダメですからね」
「うん、でもお礼はしなきゃなぁ」
「お礼にほっぺにちゅーしてとかもダメやで!アイツならしかねんしな」
「センラの中の志麻先輩像どうなってんの」
結局3回も洗濯してお気に召したセンラは訳の分からないことを言っている。お礼どうしような。志麻先輩優しいから遠慮しそうだなぁ。
まぁそれは本人に聞くとして、鞄に丁寧に入れた。
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「志麻先輩!ジャージありがとうございました!」
「お、丁寧洗濯までありがとうな〜」
「何かお礼したいんですけど、何かありますか?」
「ん〜、そんなんええよええよ!」
「でも、」
「気にせんとって!....まぁ、理恵ちゃんに貰うしな」
「え?」
「またなんかあったら俺頼ってなぁ〜」
そう言って去っていった志麻先輩。センラはあーやって言ってたけど、やっぱり優しいからお礼なんて要らないと言われた。流石。ちょっと悪い気もするけど、お言葉に甘えるとしよう。
彼のおかげで体育館掃除を免れたのだから感謝感謝。謝謝。
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「お〜、理恵ちゃんどうやった?」
「フフ、ばっちりですよ!見て下さい、珍しくポニーテールなんです!可愛いでしょ、私の佑月」
「お!かわいい!」
「でしょ!しっかり先輩も苗字も見えるように撮りましたから」
「さすが〜」
「じゃ、後で送っときますね!」
「ありがとうな〜」
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あるじゃん(プロフ) - あいさん» あいさんご無沙汰いたしております。暖かいコメントありがとうございます、嬉しい限りです泣 長らくお待たせいたしましたが、今後ともよろしくお願いいたします!更新頑張ります。 (2021年4月11日 13時) (レス) id: 2f7ed6fc05 (このIDを非表示/違反報告)
あい - おかえりなさい!!これからも更新頑張ってください! (2021年4月10日 18時) (レス) id: dad9695123 (このIDを非表示/違反報告)
みね - 更新、頑張って下さい!めっちゃ楽しみです!!! (2020年7月30日 23時) (レス) id: 2329b8e021 (このIDを非表示/違反報告)
白瀬(プロフ) - コメント失礼します…!!私が昔から読んでいた少女漫画と内容がそっくりで、めちゃくちゃ面白いです!更新頑張ってください! (2020年6月29日 7時) (レス) id: 29052aa6a9 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 本当ですか…?良かったです…文才足りんと悩んでいたので… (2020年5月13日 21時) (レス) id: b5c026bc9f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あるじゃん | 作成日時:2019年11月25日 0時