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29 いちばんすきなにおい ページ29

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「何隠してるんです?それと何で佑月さんから男の匂いが?」

「別になんもないって」

「もー、センラに言いなさい!めっ!」



センラジャージの事をバレないよう、彼から体を背ける。すると私の目の前に回り込んでくる。その繰り返しで埒が明かない。ついに、センラに両肩をガッと掴まれ、彼の方を向かされる。



「なんかジャージデカない?......あ!つき、さき、月崎、アイツのやん!!」

「....」

「なんでアイツのを!!佑月さんが!!」

「はぁ、」



なんで自分のじゃない?なんでよりによってアイツの着てるん?とか、センラのなんでなんで攻撃が始まる。テキトーに返してると、逃がしてくれそうもなく、段々肩に手がめり込んできて痛かったので、ひとつひとつ答える。



「忘れたならセンラに言えば良かったじゃないですか。そしたら貸しとったのに。」

「そしたらセンラ体育できないじゃん。」

「下にTシャツ着てるんで大丈夫です。あー、これから毎朝忘れ物チェックします?」

「それはやだ」

「次からちゃんとセンラに言うんやで?佑月さんが他のやつの使ってるのとか嫌やし。そんで佑月さんの匂いついたまま、相手が使うとかもっと嫌やし。」

「はーい」

「反省しとらんやろ。」




最初は口は笑ってるものの、目が凍てつくような怖さだったけど、やっと落ち着いてきた。

彼ジャーってその人の匂いに包まれる感じ、って言ったら、一気に顔が死んで、「は、佑月さんの彼氏じゃないですし、彼ジャーで言うのやめてください」と怒られた。....地雷踏んだ?てゆうか、彼ジャーってそういう意味なんだ。




「さっきから唸ってるけど、どうしたの?」

「....あー!やっぱむり!ムカつく!これ着とって!」



ずっと唸っていることを指摘すると、何かに耐えきれなくなったのか、大きな声を出すからビックリして身を引いてしまう。


すると、何かを頭から被せられる。やっと顔を出すと、それはセンラのジャージだった。




「え?」

「授業終わったら、アイツのジャージセンラに渡して下さいね!!」



そう言って去っていくセンラ。ジャージを二枚重ねで着ているからゴワゴワして仕方がない。

でも、被せられた時とか今も私を包むこのセンラの匂いが1番好き。志麻先輩のもドキドキするし嫌いじゃないけど、小さい頃から嗅いできたこの匂いがいちばん安心するし落ち着く。


なんか、自分の匂いがセンラの匂いに変えられていくのが嬉しい。

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あるじゃん(プロフ) - あいさん» あいさんご無沙汰いたしております。暖かいコメントありがとうございます、嬉しい限りです泣 長らくお待たせいたしましたが、今後ともよろしくお願いいたします!更新頑張ります。 (2021年4月11日 13時) (レス) id: 2f7ed6fc05 (このIDを非表示/違反報告)
あい - おかえりなさい!!これからも更新頑張ってください! (2021年4月10日 18時) (レス) id: dad9695123 (このIDを非表示/違反報告)
みね - 更新、頑張って下さい!めっちゃ楽しみです!!! (2020年7月30日 23時) (レス) id: 2329b8e021 (このIDを非表示/違反報告)
白瀬(プロフ) - コメント失礼します…!!私が昔から読んでいた少女漫画と内容がそっくりで、めちゃくちゃ面白いです!更新頑張ってください! (2020年6月29日 7時) (レス) id: 29052aa6a9 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 本当ですか…?良かったです…文才足りんと悩んでいたので… (2020年5月13日 21時) (レス) id: b5c026bc9f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あるじゃん | 作成日時:2019年11月25日 0時

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