検索窓
今日:18 hit、昨日:5 hit、合計:230,267 hit

27 お易い御用、爽やかな笑顔 ページ27

.




高校入学から幾分か経ち、暮春の空が伺える頃。なんて、清々しい空とは反して私の心はちょっとだけ荒れていた。


今からの授業は体育なのだが生憎、ジャージの上を忘れてしまった。運動神経が悪い私からしたら、サボれるじゃんラッキー!って感じになるはずだが、体育を見学した暁には放課後の体育館掃除をしなければならない。


それだけはどうしても阻止したいので、他クラスの友達に借りよう!なんて友達のいない私には無可能なことなのだった。




「理恵、まじでどうしよう!」

「私は掃除手伝えないよ、お母さんにおつかい頼まれてるし。」

「えぇ、絶対したくないのに....!」




頭を抱えながら、更衣室までの道のりを歩く。どこかから、ジャージを貸してくれる優しい方は出てこないだろうか、空からジャージが降ってこないだろうか。

なんて馬鹿なことを考えていると、後ろから聞き覚えのある声が聞こえてきた。





「お、佑月ちゃんに理恵ちゃんやん!」

「こんにちは!」

「志麻先輩、お久しぶりです。」

「確かに、佑月ちゃんとは全然会ってなかったね〜」




ご無沙汰な志麻先輩。少し制服を着崩す彼は相変わらずイケメンだ。




「どうしたん?困ってるようやったけど」

「あー、佑月が今から体育だってのにジャージの上わすれたんですよ。掃除やだーって」

「そうなん?俺でよければジャージ貸そっか?」

「!」

「良かったじゃん!貸してもらいなよ佑月!」

「えぇ、私なんかにいいんですか...?」

「佑月ちゃんになら大歓迎やで〜!」

「_______じゃあお言葉に甘えて...」

「じゃあ、教室すぐそこだから取ってくるわ〜」




そんなこんなで志麻先輩にジャージを借りることになった。もの凄く有難いけどもの凄く恐れ多い。だって、学校1.2を争うイケメンだよ!なんでも私なんかに!





「はい!洗濯してから使ってないけど、俺の匂いついとったらごめんな!」

「全然です!ありがとうございます、助かります!」




爽やかな笑顔で快く貸してくれた志麻先輩にお礼を言って、更衣室へ急ぐ。見るからにいつも私が着ているものより大きいけれど、大丈夫なのだろうか。いや、ないより凄く有難い。



待ってよ、なんか着るの緊張する.......

28 おれにすきなにおいじゃない→←26 秘密の〇〇



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (476 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1223人がお気に入り
設定タグ:センラ , 浦島坂田船 , 歌い手
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

あるじゃん(プロフ) - あいさん» あいさんご無沙汰いたしております。暖かいコメントありがとうございます、嬉しい限りです泣 長らくお待たせいたしましたが、今後ともよろしくお願いいたします!更新頑張ります。 (2021年4月11日 13時) (レス) id: 2f7ed6fc05 (このIDを非表示/違反報告)
あい - おかえりなさい!!これからも更新頑張ってください! (2021年4月10日 18時) (レス) id: dad9695123 (このIDを非表示/違反報告)
みね - 更新、頑張って下さい!めっちゃ楽しみです!!! (2020年7月30日 23時) (レス) id: 2329b8e021 (このIDを非表示/違反報告)
白瀬(プロフ) - コメント失礼します…!!私が昔から読んでいた少女漫画と内容がそっくりで、めちゃくちゃ面白いです!更新頑張ってください! (2020年6月29日 7時) (レス) id: 29052aa6a9 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 本当ですか…?良かったです…文才足りんと悩んでいたので… (2020年5月13日 21時) (レス) id: b5c026bc9f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あるじゃん | 作成日時:2019年11月25日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。