21 最後の最後にファインプレー ページ21
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「(え、これ勝ったら総合優勝...?)」
「佑月〜、ボールいったよ!」
「え、うん!」
午後からの準決勝でも難無く勝ち、今現在は決勝戦。理恵やチームのみんなのおかげでこんな所まで勝ち進める事が出来た。
「(それにしても指が痛い!)」
「お、やった、入った!」
「ナイス〜!」
そういえば準決勝の時に突き指をしたんだった。その時はアドレナリンどばどばで、痛みが気にならなかったけれど、流石にもう切れたのか凄く痛い。
努力したけれど、どうしようもない私の運動神経の悪さによって沢山足を引っ張った。だから、最後だけでもみんなに迷惑をかけないようにして優勝飾りたいのだ。
しかも、センラも見てる。視界を端に映るセンラにも私の成長を見て欲しい。
「五十嵐さんいったよー!」
「うん...!」
チームの子の声を聞いて、ボールを見据える。このボールだけはどうしても打ちたくて、必死に手を伸ばす。
ボールを何とか手首にあて、理恵にパスを回す。その瞬間、前方に体重をかけすぎて前に体が倒れる。
________あ、やばい。
そう思った途端、ベチンッという唯ならぬ大きさの音が体育館の壁に反響して、皆が驚く。スライディングではない、唯、固い体育館の床に体を打ち付けたのだ。
相手のチームも同様に驚いてこちらを向いていた。気を取られているところに理恵がスパイクをして、相手のチームはアウト。
審判の笛の音が体育館の中に響き渡り、ポカンとしている私の周りに人が集まってくる。
「すごい、五十嵐さん!あそこで五十嵐さんじゃなかったら絶対負けてたよ!」
「お疲れ様、大活躍じゃん!」
「凄い音したけど、かっこよかったよ!」
私はチームの子に囲まれて、様々な激励の声をかけられる。案の定体は物凄く痛かったけれど、兎に角チーム貢献出来たことが嬉しかった。
我がチームが勝利を収めた試合が終わり、コートの真ん中でみんなで笑い合っていると、センラが大股でこちらに向かって歩いてくる。
不思議に思っていると、いきなり私の手を引き、センラに肩に抱えられる。
「わっ!」
そのまま私を抱えて何処かに走るセンラ。突然の事で訳が分からず、目をぐるぐるさせ彼の方の上で藻掻く。
「どこ行くの、何すんのセンラ!」
「ちょっと暴れんといて下さい。佑月さんの事絶対落としたくないんで。」
「じゃあ、今の状況を説明してよっ!」
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あるじゃん(プロフ) - あいさん» あいさんご無沙汰いたしております。暖かいコメントありがとうございます、嬉しい限りです泣 長らくお待たせいたしましたが、今後ともよろしくお願いいたします!更新頑張ります。 (2021年4月11日 13時) (レス) id: 2f7ed6fc05 (このIDを非表示/違反報告)
あい - おかえりなさい!!これからも更新頑張ってください! (2021年4月10日 18時) (レス) id: dad9695123 (このIDを非表示/違反報告)
みね - 更新、頑張って下さい!めっちゃ楽しみです!!! (2020年7月30日 23時) (レス) id: 2329b8e021 (このIDを非表示/違反報告)
白瀬(プロフ) - コメント失礼します…!!私が昔から読んでいた少女漫画と内容がそっくりで、めちゃくちゃ面白いです!更新頑張ってください! (2020年6月29日 7時) (レス) id: 29052aa6a9 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 本当ですか…?良かったです…文才足りんと悩んでいたので… (2020年5月13日 21時) (レス) id: b5c026bc9f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あるじゃん | 作成日時:2019年11月25日 0時